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【石川】華やぐ鶴来 もう一度 参道の旧店舗 スナック喫茶に再生

2021年6月4日 05時00分 (6月4日 09時50分更新)
オープンに向けて準備をする宮本航さん(右)ら住民=石川県白山市鶴来日詰町で

オープンに向けて準備をする宮本航さん(右)ら住民=石川県白山市鶴来日詰町で

  • オープンに向けて準備をする宮本航さん(右)ら住民=石川県白山市鶴来日詰町で

「コロナ後 会話楽しむ場に」

 石川県白山市鶴来日詰町の「金剱宮(きんけんぐう)」に続く参道で昭和期の面影を残したまま閉業していたスナック「再会」が七月、新たなスナック喫茶「アイリーン」に生まれ変わる。かつて県内最大級の鶴来遊郭(ゆうかく)としても栄えた参道。近隣では飲食店の開店が続いており、地域住民は、参道を核としたまちのにぎわいを期待している。(都沙羅)
 鶴来商工会が二〇〇四年にまとめた書籍「ふるさと『鶴来』再発見」によると、明治初期から町の数人が貸座敷業(芸妓(げいぎ)置き屋)を始めた。一九二四(大正十三)年には置き屋二十六軒、芸妓百三十人と金沢をしのぐ盛況ぶり。連日若者や旦那衆でにぎわった。今も当時の遊郭の雰囲気が残る古い建物が、鶴来温泉の旅館近くに残されている。
 売春防止法制定で昭和三十年代には遊郭の明かりは消え、旅館や居酒屋が立ち並ぶ町並みに変貌した。スナック「再会」は六三年に開店し、経営するママが亡くなる二〇一三年まで、住民に長く愛された。
 以前から鶴来に酒場を造りたいと考えていたのが、白山比咩(しらやまひめ)神社(三宮町)前の飲食店「38(サンパチ)ダイニング」の宮本航さん(35)。新型コロナウイルス禍で満足いく営業ができない中、「新しいことに挑戦するなら今」と開業準備を始めた。
 「アイリーン」は昭和期の面影が残る内装を生かした。店名は架空のすてきな女性をイメージした。昼は軽食のほか、カスタードプリンの周りに果物やクリームを添えたレトロなスイーツ「プリンアラモード」が味わえる。夜は地域の人が集まり、酒を飲みながらくつろげる社交場にしたいという。席の間にはアクリル板を設置するなど感染対策もする。
 町内では喫茶店と民泊施設を兼ねた「カフェときどきバー お宿たけだ」(昨年十二月)や、ショーホールをカフェに改装した「崖の上サーカス」(今年五月)がオープン。少しずつにぎわいを取り戻す町に、新しい店を開く宮本さんは「コロナが落ち着いたら、地元の人が会話を楽しむ場に」と語る。

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