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終盤に出た錦織圭の本当のすごみ“体力温存”よりフルセット勝利を前向きに考えたい【辻野隆三コラム】

2021年6月4日 05時00分

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ガッツポーズする錦織(AP)

ガッツポーズする錦織(AP)

◇全仏オープンテニス・男子シングルス2回戦 ○錦織圭-ハチャノフ● 辻野隆三評論
 以前から、錦織はグランドスラムで2週目に向けて体力を温存する戦い方を模索するべきだと言われてきて、本人も課題に挙げてきた。しかし、今回の全仏はそんなことを言っていられない大会になった。第一線に復帰してきた今の彼には目の前のひとつひとつの試合に全力で向かっていくことが大事だし、2014年に全米オープンで準優勝したときもフルセットの試合を戦い抜いたのだから、2試合連続のフルセットも前向きに考えたいところだ。
 試合の内容としては、サーブ&ボレーの入れ方やスライスを交ぜてのショットが良かったが、途中までバックのダウン・ザ・ライン(ストレート)の精度がよくなかったので、打つ場面が少なかった。自然、バックはクロスのショットが多くなり、そこをハチャノフに待たれて、逆にダウン・ザ・ラインを決められる場面が多かった。
 全体として受け身に回っているような印象を受けたが、最終セット4―4からの2ゲームはなんと8ポイントを連取している。錦織のこういう勝負強さというか、勝ちをスルスルと盗んでいくような試合を見たのは久しぶりのような気もする。相手が少しでも落ちてきたのを見逃さない、そういう匂いをかぎわけられる、錦織の本当のすごみが終盤に出た試合だった。
 次戦のラークソネンはストロークがしっかりしたタフな選手。ぐいぐいフォアで追い込んでくるし、簡単なミスはしない。ハチャノフに似た部分もあるが、組み立てとかの強みはあまりない。勝負強さは錦織が十分に上回っている。
(元デ杯日本代表)

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