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県知事選立候補予定者 座談会詳報(下)

2021年6月3日 05時00分 (6月3日 05時03分更新)
 三日告示、二十日投開票の知事選に向け、中日新聞東海本社が五月三十一日に開催した立候補予定者による座談会で、川勝平太知事(72)と岩井茂樹前参院議員(53)=自民推薦=は、当選後に取り組みたい課題やコロナ後の経済政策、財政の問題についてもそれぞれの思いを語った。 (司会は林浩樹東海本社編集局長)

◆最優先事業

 −知事に就任後、一年以内に最優先で取り組む事業を三つ挙げると、何か。

岩井氏 防災・減災地域守る

 防災・減災について、地域を守るためのインフラ整備を含めた対策をやっていく。国土交通省は流域治水に取り組んでいる。台風が激甚化しており、治水対策や地震対策も含め、県と国が連携して進めていきたい。
 コロナ禍で学問の格差が生まれないようにGIGAスクール構想が進められ、百年ぶりの教育改革といわれる中、子どもが取り残されないような教育をする。人工知能(AI)や新しい技術を使うのと同時に、静岡を愛し、ふるさとを誇りに思う気持ちを道徳教育などで醸成する。
 女性への対応も重要。シングルマザーは経済的に厳しく、きめ細かな支援が必要だ。生活弱者と言われる方へも、国は見方が甘い。立場の弱い方々への対応をしっかりと進めたい。

川勝氏 コロナ対策しっかり

 喫緊の課題はコロナ対策。県内は人口当たりの感染者数が抑えられており、今のうちに飲食店の感染対策を万全にする。アクリル板や換気扇などは金がかかるが(対策の)予算をしっかり執行する。(感染が収まれば、県内観光促進キャンペーンで)旅行する人に割引があり、飲食店や観光関係が息をつく。
 東京五輪・パラリンピックに関わらず、県はサイクリングの聖地づくりを目指してきた。ナショナルサイクルルートの太平洋岸自転車道千四百八十七キロのうち三分の一が静岡県。自転車文化を創り上げる。
 人口流出は東京一極集中の流れだったが(大学との)就職支援協定などの結果、(二〇二〇年度に)千三百九十八人が静岡県に移ることになった。来たい人の受け入れ体制を明確にする。

◆コロナ後

 −コロナ後を見据えた静岡の経済政策は。

岩井氏 静岡の食 世界に発信

 産業構造が激変しており、柔軟に対応できるかがポイント。温室効果ガス排出の実質ゼロ(カーボンニュートラル)が唱えられ、稼ぎ頭の自動車産業は電気自動車(EV)になっていく。国の動向を見ながら、産業や技術を守るための対応をしていく。
 国は観光業と一次産業を成長産業にする考え。コロナ禍で厳しい状況の観光業には観光支援事業「Go To トラベル」もやっていたが、効果的なものをスピーディーに打ちたい。
 国は一次産業で二〇三〇年に輸出額五兆円という目標を掲げ、重要輸出品目にはお茶が入る。それを含め基盤整備をし、静岡の豊かな食を世界に発信できる足腰の強い産業にする。
 女性の視点も大事で、人口減少を止めるポイントは女性がいかに故郷にとどまり能力を生かせるか。その環境をつくっていきたい。

川勝氏 デジタル化を全てで

 中長期的には子どもに情報通信技術(ICT)を教える。そのためスーパーティーチャーといわれる先生を選び、まずは学校の先生を教育する。民間からも来てもらい、タブレットを有効活用する。
 デジタル化は教育から県庁まで全てのレベルで進める。西部は輸送機械が中心で、二酸化炭素(CO2)を出さないように変える必要があり、そのチームをつくっている。次世代自動車に関する検討も二、三年やっている。東部では、トヨタ自動車が次世代技術の実証都市「ウーブン・シティ」を計画している。ここでは食べ物や買い物、教育、医療が必要で、中でも医療が重要。静岡は医療、健康産業が日本で一番だ。
 地域自立の観点も重要。山梨や長野、新潟を含めた広域経済圏で、いかに自分たちで経済を回すか。局地的な広域の市場圏をつくっていく。

◆県財政

 −県財政は悪化し、コロナ禍でさらに厳しい。立て直しに歳出削減も必要になると思われるが、具体策は。

岩井氏 知事公舎なくしても

 この状況では歳出カットは避けられない。一方でやらなければならないことはある。県の安心安全を守る防災は、インフラ整備をやるべきだ。高寿命化を狙ったり、費用対効果をしっかりと計算したりすることも重要だ。
 目的が明確でなく、理念先行の整備は違うと考える。立地にそぐわない規模や仕様ではなく、県の今の身の丈に合った考え方が重要だ。県民に理解してもらいながら、遅滞なく約束を守るスタンスが大事だ。
 また、知事公舎はどういう使われ方をしているか。知事が住む所と、迎賓館的な意味がある。迎賓館的な意味で使われていないなら、知事公舎はなくして少しでも県の財政に利する対応が図られるべきだ。

川勝氏 個人消費拡大させる

 財政調整基金が五十二億になった。一、二年前の三百七十億から激減した。人を助けるため基金を取り崩した。リーマン・ショックの時の基金は四十七億。当時は有効求人倍率が一をはるかに下回っていた。その後、基金が百億円、二百億円、三百億円台と戻ったところにコロナがきた。だが、リーマン・ショックの時より数億多い。私には回復させた実績がある。
 消費を拡大することが大切で、経済を動かさなければならない。個人消費は経済の半分以上を占める。衣食住で特に食が重要だ。
 静岡と山梨は対策が整っている飲食店などを認証する制度で予算を組んだ。確実に消費が増えてくる。税収が増え、第一次産業にも還元できる。

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