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大坂なおみが問題提起した「会見義務ルール」米ゴルフ界には存在せず「選手とツアーは個人契約」【武川玲子コラム】

2021年6月2日 06時00分 (6月14日 16時19分更新)
大坂なおみが問題提起した「会見義務ルール」実は…米ゴルフ界には存在せず(AP)

大坂なおみが問題提起した「会見義務ルール」実は…米ゴルフ界には存在せず(AP)

 テニスの全仏オープンで世界をにぎわせた大坂なおみの会見拒否問題。最終的に大坂はうつに苦しんでいたことを告白し大会の棄権を表明したが、初戦は主張通りに会見を拒否し、ルールにのっとり罰金1万5000ドルを科せられた。報道を見聞きすると、チームスポーツの野球やバスケットと同様に、個人競技のテニスツアーも会見を義務づけているようだ。
 米ゴルフ界はというと、実は「会見を義務づけるルール」は存在しない。以前にPGAツアーに確認したところ、「選手とツアーは個人契約。ツアーにその強制力はない」との回答を得た。例えば暴言などで罰金を科せられることはあっても(公表はなし)、メディアと話さない理由での罰金はない。
 大坂が「any press」とつづる会見というのは、会見場に座って記者と対面することに加え、おそらく立って簡単に話すクイッククオート(ミックスゾーンとも言う)も含まれるのだろう。
 ゴルフトーナメントでも最終日に優勝者は会見場に招かれ、場合によっては敗れた選手が呼ばれることもある。人気選手であればほぼ毎日、クイッククオートでコメントを求められる。ただし、選手が応じずにコースを後にすることも日常的にある。その日のプレーが悪ければ当然怒っているわけで、全盛期のタイガー・ウッズ(米国)然り、つい先日の全米プロ選手権でもロリー・マキロイ(英国)が記者と話さずに足早に去った。
 米ツアーに参戦する日本人選手は毎日、日本のメディア取材に応じている。話さないこともまれにあるが、ツアーからのおとがめはもちろんない。大坂が発信した選手のメンタルケアへの対応は、テニス界だけでなく今後のプロスポーツ界に大きな影響を与えそうだ。その行方に注目したい。(全米ゴルフ記者協会会員)
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