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能登かき殻で魚礁作り 中島・七尾湾 障害者が保全に力

2021年6月2日 05時00分 (6月2日 10時20分更新)
山積みになったカキの殻を集めるえもるの利用者ら=七尾市中島町浜田で

山積みになったカキの殻を集めるえもるの利用者ら=七尾市中島町浜田で

  • 山積みになったカキの殻を集めるえもるの利用者ら=七尾市中島町浜田で
  • カキの殻を詰めた魚礁=七尾市中島町浜田で

養殖オフシーズンも作業「水福連携」広まる

 七尾湾の特産品「能登かき」の産地で知られる七尾市中島町で、水産業と福祉分野が協力する「水福連携」の取り組みが幅を広げている。これまで障害のある人たちはカキの養殖作業の一部のみを担ってきたが、五月下旬からオフシーズンの作業もスタート。豊かな海洋環境の実現を目指し、カキの殻を再利用した魚礁作りを始めた。 (稲垣達成)
 同市中島町浜田にあるカキ貝のリサイクルセンター。同市の就労継続支援事業所「えもる」の利用者らが、黙々と山積みになった殻をプラスチック製のかごに詰めていく。一個、また一個…。休憩を挟みながら、手作業で進める。
 えもるは一昨年から同市中島町の生産業者、山口水産と連携。養殖シーズンの十一月〜翌年五月に作業の一部を担っている。連携も二年目に入り「取り組みを広げたかった」とえもる支援員の花田敏輝(としき)さん(26)。夏場は利用者の仕事も少ないといい、オフシーズンにできる作業を調べていたら、魚礁が目に留まった。「この作業はやれそう」。連携する山口水産が能登かき養殖漁業振興会を通じて仕事を紹介してもらい、五月下旬から取り組んでいる。
 製造する魚礁は、海に沈めることで貝殻に胞子が付着。海藻を豊かにする効果があるほか、貝殻の重なりが小魚や微生物の隠れ場や産卵場所になり、生物多様性にも貢献する。花田さんは「利用者も社会に役に立てていると感じるようで、生き生きしている。やりがいを感じる」と話す。
 働く場を提供する山口水産にとっても、殻の処分にかかる経費の削減など利点がある。同社役員の山口翔太さん(26)は「資源の再利用につながり、社として重視するSDGs(持続可能な開発目標)に結び付く」と取り組みの意義を語る。
 七月末までに八百四十個を仕上げ、一部は七尾湾に設置される予定だ。初回の作業は発注元の海洋建設(岡山県倉敷市)の森下剛匠(つよし)さん(38)らも視察。「利用者さんがコツコツ、楽しそうに取り組んでくれていて、私たちもうれしい。仕上がりが楽しみだ」と期待を寄せる。

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