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<発掘‼ みか話~るど> (12)「仏法僧」の鳴き声求め

2021年5月30日 05時00分 (5月30日 05時01分更新)
 「仏法僧 仏法僧と 鳴く鳥の 声をまねつつ 飲める酒かも」
 旅と酒を愛した歌人の若山牧水(一八八五〜一九二八年)は中学の時、剣道の試合中に鼓膜を破り、耳が少し遠かったという。そんな牧水が「仏法僧鳥を聴こう」と思い立って、新城市の鳳来寺山を訪れたのが一九二三(大正十二)年七月だった。その模様を「鳳来寺紀行」に書き記している。
 鳳来寺山は古くから、暗闇の中、「ブッ ポウ ソウ」という鳴き声が岩肌に反響して聞こえる山として有名だった。当時、仏・法・僧の「三宝」を象徴するとされる鳴き声は、青い光沢のある羽を持つ鳥、ブッポウソウだと信じこまれていた。だが実際は「ゲッ、ゲッ、ゲッ」などと濁った鳴き声しか出ない。
 三五(昭和十)年にようやく真相が明らかになる。山に響きわたる声がラジオで全国に実況中継された時、放送を聞いたある鳥が澄んだ声を上げた。縄張り争いに負けじと鳴き返したのか、「ブッ ポウ ソウ」と美しく響いた。
 声の主はフクロウの仲間のコノハズクだった。だがその時、牧水は既にこの世を去っており、ブッポウソウと信じたまま、歌に残していた。
 牧水は最初の探鳥行の際、表参道の石段中腹にある医王院に...

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