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ラモス瑠偉さん「この3人でメダル狙える」吉田麻也&酒井宏樹&遠藤航OA3人に大きな期待【月刊ラモス】

2021年5月29日 06時00分

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吉田麻也

吉田麻也

  • 吉田麻也
  • 酒井宏樹
  • 遠藤航
 サッカー五輪代表のオーバーエージ(OA)枠が内定した。選ばれたDF吉田麻也(32)=サンプドリア、DF酒井宏樹(31)=マルセイユ、MF遠藤航(28)=シュツットガルト=の3人は、日本代表でも攻守のカギを握る。世界でもトップレベルで活躍するこの3人に、ラモス瑠偉編集長も「この3人が入ればメダルを狙える」と大きな期待を寄せる。東京五輪開幕まで2カ月を切ったが、新型コロナの影響で開催に関しては厳しい世論がある。ラモス編集長は「選手たちは開催されることを想定し、全力を尽くして最善の準備を整えるしかない」と東京五輪に挑むアスリートたちの心中を思いやり、エールを送った。
 発表前は麻也、遠藤航、大迫の3人かなと思っていたが、森保監督は酒井を選んだ。まずは守備を安定させ、そこから縦に速い攻撃を仕掛けるという狙いだろう。3人はA代表でも攻守にわたって重要な役割を担っている。3人とも対人プレーが強く、特に遠藤航はボールを奪取する能力が高い。
 攻撃するための第一歩は、ボールを奪い取ること。いい形でボールを奪うことができれば、カウンターの精度が高くなる。また、麻也のロングフィードの精度はこの1年で格段に高まっているし、遠藤航の攻守にわたる切り替えの速さは大きな武器だ。また、酒井の攻撃参加、精度の高いクロスはアクセントになる。つまり、3人とも守備だけでなく、攻撃に関しても起点となり、鍵を握っている。
 この3人が加わることでオプションが大幅に増える。どうしても1点がほしいとき、麻也、酒井、ボローニャDF冨安健洋(22)の3人で3バックを組むことが可能だ。冨安の守備はイタリアでも高く評価されている。この3バックは世界レベル。さらに言えば、麻也と冨安の2バックで、超攻撃的なオプションも用意できる。
 かつて韓国代表のヒディンク監督が用いた戦略で、韓国のスピードとフィジカルコンタクトの強さを前面に押し出し、2002年W杯で4強入りした。いざとなったら、奥の手として用意することも可能だろう。五輪を勝ち抜いていくためには、4―2―3―1システムだけでは対応できないだろう。状況に応じたオプションは必須だ。
 もう1点、酒井に関して言えば、脂が乗りきっているこの段階でJリーグに帰ってくることを決断してくれたことに敬意を表したい。この4年間で、最も進歩した選手。世界のトップクラスを相手に磨いたプレーを、日本の子どもたちに見せてほしい。日本のサッカーを大いに盛り上げてほしいものだ。
 すでに1次リーグの組み合わせが決まったが、組み合わせとしては「普通」の組だろう。マスコミは「死の組」とあおり立てていたが、B組は別としてC、D組に入っても同じようなもの。ブラジル、ドイツが同居しているD組に比べればよほどマシだ。相手はフランスとメキシコ、南アフリカ。サッカーのスタイルを考えれば、むしろ日本にとっては戦いやすいのではないか。
 私は今回のメンバーを見て、十分メダルを狙えると思っている。OAの3人は実力だけでなく、経験が豊富で、精神的な支柱としても強いメンタルの持ち主だ。特に麻也のキャプテンシーは素晴らしい。何よりも3人ともオリンピックに対して強い思いを持っている。
 どうやってゴールを決めきるかという課題はあるが、私は横浜MのFW前田大然(22)の粗削りでアグレッシブなプレーに期待したい。中盤の層は厚いので、どういう組み合わせでいかにボールを素早く動かすか、残り2カ月で見極めていくことは十分可能だ。狙うはA組1位突破。メダルを狙うには手ごわい相手をたたきつぶして勢いに乗るのが一番の近道。地の利を生かし、世界をあっと言わせてほしい。
 いま、東京五輪の切符を手にした選手、そしてこれから出場権をかけた戦いに臨む選手は、ものすごく難しい立場にある。競泳の池江璃花子選手の元に、出場辞退を求める書き込みが届いたという。コロナ禍で、世論は8割方、オリンピック中止、または延期に傾いているといわれている。いろいろな意見があって、当然である。しかし、選手はオリンピックが開催されることを想定して、全力を尽くし、最善の準備をするしかないのだ。
 お願いだから、選手たちを責めることだけはやめてほしい。選手たちを不満や不安のはけ口にしないでほしい。選手たちは感染拡大や、医療崩壊の危機といった問題を解決する術を持っていない。オリンピックをやるとかやらないとか、決めることはできない。それができるのは政治だけ。選手たちもまた、コロナに苦しめられている被害者であることを忘れてはならない。
 オリンピックが開催されれば、選手たちには見ている人たちに勇気や感動を与えてくれる。おじいちゃんやおばあちゃん、暗いニュースばかりでふさぎ込んでいる人たちに元気を、子どもたちに夢と希望を与えてくれる。だから、オリンピックが開催されたときは、みんなが感染予防対策を徹底して、世界中のアスリートを心の底から応援してほしい。
 ただ、選手たちにもひとつだけ、お願いがある。今回のオリンピックに限っては「楽しんでくる」は言わないでほしい。コロナで多くの人が亡くなり、苦しんでいることを心の中に刻み込み、全力を出し切ってほしい。(元日本代表)
◆東京五輪男子サッカー 23歳以下の選手に上限3人のOAを加えた代表チームで参加するルールがあるが、新型コロナウイルスの影響で1年の延期が決まり、U―24チームで戦うこととなった。出場資格は1997年1月1日生まれ以降のままで、本来なら2020年大会で出場可能だった選手が問題なく出場できる。男子は7月22日に開幕し、日本は同日に味の素スタジアムで南アフリカ、25日に埼玉スタジアムでメキシコ、28日に日産スタジアムでフランスと1次リーグを戦う。

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