萩野礼子 食のバリアフリーを目指す歯科医師

2020年5月8日 02時00分 (5月27日 03時53分更新) 会員限定

写真・木口慎子

◆口で食べる幸せ、誰にも最期まで

 東京都内で訪問歯科をしながら和食の店を経営する歯科医師萩野礼子さん(42)は、病気や高齢でのみ込む力(嚥下(えんげ))に障害がある人もない人も、同じようにおいしい外食を楽しめるようメニューに工夫を凝らす。「最期まで口から食べられる幸せを」。調理師の資格も持つ自称「食いしん坊歯科医師」が目指すのは、「食のバリアフリー」だ。
 -歯科医師を目指したきっかけは。
 高校二年の冬、阪神大震災が起きた。自宅は無事だったので母と二人で避難所を回り、水を配ったり炊き出しの手伝いをしたりしました。配られたおにぎりを前に「入れ歯を持ち出せなかったから、食べたくても食べられない」と言うお年寄りが何人もいた。震災直後、開いていた店でポトフを食べました。「温かいご飯を食べられるのはこんなに大事なんだ」と感動。口から食べるということと、食べることの喜びに関して、私の中で「何かやんなきゃ」という思いが出たんです。
 -大学院では顎(がく)顔面補綴(ほてつ)を専攻した。
 がんや先天性疾患、交通事故などであごの骨や舌を切除した患者さんに合わせた特殊な入れ歯(補綴物)を入れることで、かむ、の...

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