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<大波小波> 漫画アーカイブの成立

2021年5月26日 16時00分 (5月28日 10時12分更新)
 漫画は今日の日本が世界に発信できる、重要な芸術ジャンルである。だが長らく貶(おとし)められてきたせいで史料が散逸し、研究には長い間困難が生じていた。
 「現代マンガ図書館」が移転し、「米沢嘉博記念図書館」とカウンター・閲覧室を共にするようになって二カ月が経過した。所蔵四十一万冊・点。そこには国会図書館にもない多くの貸本漫画が含まれている。いずれの図書館も、内記稔夫(ないきとしお)と米沢嘉博(ともに故人)という漫画研究家の蔵書に基づいている。彼らは漫画おたくとは異なり、文化の継承のため、私財を投じて漫画の保存と漫画史の編纂(へんさん)に生涯を捧(ささ)げた。
 少女漫画で恋愛が主題となったのはいつからか。長らく禁忌であった初潮を最初に描いたのは誰で、何という作品であったのか。少女の上唇や下睫毛(まつげ)はいつから描かれるようになったのか。こうした問いを女性表象史のなかで捉える「少女マンガはどこから来たの?」展(現在はwebで継続開催中)が可能となったのは、ひとえにこの漫画アーカイブ成立のおかげである。快事を実現させた明治大学の文化的貢献は大きい。鳥獣戯画は賞賛しても現代の漫画は馬鹿にしてき...

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