顧問助産師、企業で力に 働く人の出産・育児支援
2021年5月24日 05時00分 (5月24日 05時00分更新)
男女の区別なく働く人の出産や育児などの相談に乗り、仕事との両立を助ける「顧問助産師」を取り入れる企業が増えている。出産を機に離職する女性も少なくない中、誰もが長く働ける環境を整えるには、職場側のサポートが課題だ。助産師にとっても病院以外に活動の場を広げるチャンスで、働く人たちの力になろうと模索している。 (熊崎未奈)
「赤ちゃんが授乳後に吐くのですが、どこが不調なのか分かりません」「子どもを産みたいけれど、今の役職だと難しい」
大阪市の助産師、岸畑聖月(みづき)さん(29)のもとには昼夜を問わず、相談のメールが寄せられる。「顧問助産師」として契約する企業の社員からだ。不妊治療や生理、コロナ禍での出勤の不安、職場の人間関係…。豊富な医学的知識を持つ専門職への信頼は厚く、男性からの相談も多い。
メールは二十四時間以内に返信。テレビ電話で面談にも応じる。総合病院で働く傍ら、岸畑さんがこうしたサービスを提供する「With(ウィズ) Midwife(ミッドワイフ)」(同市)を起業したのは二〇一九年十一月。勤務先の病院で、妊娠後も忙しくしていて受診が遅れたり、キャリアとの両立に悩んだりする女性を...
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