本文へ移動

私は冠のつかないマイネル軍団にロマンを感じる 黎明期の記憶が強烈に残っているから【本城雅人コラム】

2021年5月24日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
オークスを制したユーバーレーベン(左)の鞍上でガッツポーズするM・デムーロ

オークスを制したユーバーレーベン(左)の鞍上でガッツポーズするM・デムーロ

◇コラム「ぱかぱか日和」
 マイネル軍団に冠名がつかないことが時々ある。京成杯を勝ちクラシック候補になりながら故障したプレイアンドリアル、札幌2歳Sを勝ったトラスト、現役の古馬牝馬路線で頑張っているスマイルカナ、藤沢和厩舎に入厩してクイーンCなどを勝ったイクスキューズなどがそうだ。それには理由があって、岡田繁幸さん名義の馬には冠名をつけず、最近は牝馬に「マイネ」をつけない。
 それでも私は冠のつかないマイネル軍団にロマンを感じる。それは岡田さんがまだ36歳だったマイネル軍団の黎明(れいめい)期の記憶が強烈に残っているからだ。その馬は三石の小さな牧場で岡田さんが見つけたカブラヤオー産駒。繁幸さんはその馬に、息子をかわいがってくれ、その年の12月に亡くなった父・蔚男さんを重ね合わせ、グランパズドリーム(おじいちゃんの夢)と命名した。同馬は1986年の日本ダービーでダイナガリバーの2着に入った。その美しい名前に岡田さんのファンになった競馬人はたくさんいる。
 その岡田さんが亡くなったのが今年の3月19日。今年のオークスで、ドイツ語で「生き残る」という意味のユーバーレーベンが勝利するとは。天国から牧場スタッフに「どんな時代でも生き残っていけよ」と鼓舞したように聞こえた。
 岡田さんは日高の牧場を回って、安くても走る馬を探してくるイメージが強いが、同馬の祖母でクイーンCを勝ったマイネヌーヴェルは自家生産馬。そのヌーヴェルに自ら購入したロージズインメイをつけ、さらにその子に才能を高く買ってビッグレッドファームで繋養(けいよう)したゴールドシップを種付けした。
 生前の岡田さんからは、たくさんの強気のコメントも聞いたが、全部本気だった。競馬は信じて頑張っていけばいつか報われる。希代のホースマンから、大事なことを教わった。(作家)

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ