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多様な性に晴れの門出 金沢にLGBTQ歓迎のスタジオ

2021年5月21日 05時00分 (5月21日 10時15分更新)

LGBTQの利用を歓迎するスタジオウエディングの専用ホームページ

挙式と撮影 幸せになる応援

 性的少数者(LGBTQ)も当たり前に結婚式を挙げられるようにと、挙式と写真撮影ができるスタジオが、金沢市神田にオープンした。異性間だけでなく、多様な性のカップルにも気兼ねなく利用してもらうため、ホームページに当事者の写真を掲載してPRする。LGBTQのカップル歓迎を前面に打ち出す式場は、県内で他に例がないという。 (鈴木里奈)
 結婚式の前撮りなどを手掛ける「シュウアディクション」(同市東山)の山瀬真由美社長(53)が、挙式と撮影を行う「スタジオウエディング」を三月に開設した。コロナ禍で挙式ができず写真撮影だけでもしたいとの需要が増す中、手頃な価格で少人数の挙式ができる場をつくりたいと考えた。LGBTQの歓迎をうたうのは、開設の準備中にふと「LGBTQの人たちは、どこで挙式をして写真を撮るのだろう」と思い至ったのがきっかけだった。
 山瀬さんによると、婚礼業界では偏見や周囲への遠慮から、LGBTQを対象にした挙式の導入は進んでいない。県内に八十ほどある式場のうち、LGBTQの利用が可能なのは一割ほど。挙式できることを大々的にアピールする式場もないため、当事者は問い合わせの際にLGBTQであることを明かさざるを得ず、心理的負担が生じるという。

片方がトランスジェンダーのカップルを起用し、スタジオウエディングで撮影した写真(スタジオウエディング提供)

 一方、同社は専用のホームページと会員制交流サイト(SNS)のインスタグラムを開設し、LGBTQを歓迎すると明示。広く利用を呼び掛ける。山瀬さんは「LGBTQの人はどこにでもいるが、言い出しにくい空気があり、存在があまり認知されていない」と指摘。「区別の必要はないが、正しい知識がなければ傷つけてしまう可能性がある」からと、社員に研修を実施した。
 ホームページに載せた写真には、同性カップルと、片方がトランスジェンダーのカップルをモデルに起用した。撮影に協力したトランスジェンダーで市内の飲食店経営、岡田千央美(ちおみ)さん(36)は「両親に晴れ姿を見せられた」と喜ぶ。「一般の式場では受け入れてもらえないだろうという不安があったが、ここは入り口をくぐりやすい」と話す。
 LGBTQへの理解は徐々に広がりつつあり、三月には札幌地裁が、同性婚を認めないのは違憲とする判断を全国で初めて示している。山瀬さんは「ここでは、どなたでも一人の人としてお迎えし、幸せになる応援をしたい」と力を込める。
◇LGBTQ専用のホームページはこちらから=

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