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桜花賞から一気に距離延長する難解オークス…長距離適性を見極める1つは背中の稜線が滑らかに映る馬

2021年5月21日 06時00分

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無敗で牝馬2冠を狙うソダシ

無敗で牝馬2冠を狙うソダシ

◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 オークスは年間23あるJRA平地G1の中で、検討するのに最もやっかいな競走だろう。桜花賞からは1・5倍の距離延長で、例年ほぼ全馬が距離未経験。今年はハギノピリナ、パープルレディーの2頭だけが、未勝利、1勝クラスで同距離を経験しているが、実績上位組に距離経験があるというケースはほとんどない。
 経験のない距離への適性を考える時の切り口は主に2つ。血統的考察と、外見からの考察だ。ここでは、外見からわかり得る事を整理してみよう。
 長距離への適性に利いてくる要因としては、肺活量を含めた心肺機能、走行フォームによって左右されるエネルギー効率、それから気性的な要因に左右される操作性の3つが挙げられるだろう。このうち、操作性は普段の調教や、走行履歴から、馬の所作を見て判断する必要がある。気性的に不安定な牝馬戦だけに、この点の評価はオークスまでの時点でおおむね周知の事実となっているだろう。
 心肺機能とエネルギー効率は、走らせてみないと分からない部分と、馬の姿形から類推できる部分に分けられる。例えば、心臓の大きさや、走行速度と心拍数の関係は、外見からは判断できない。人のアスリートの筋肉の組成について、短距離型の速筋線維と長距離型の遅筋線維の割合を論じられるように、馬でも筋線維の組成の違いはある。これも、外見からはうかがい知れない。
 一方で、肺の入る器としての胸郭の形や大きさはそのまま肺活量を推し量る材料になるし、背中の稜線(りょうせん)の湾曲具合は、腰周りのバネ性能(=エネルギー効率)を類推する重要な手掛かりになる。体幹の形について「胴詰まりはスプリンター、胴長はステイヤー」との格言があるが、胸郭の容量に直結した判断基準だ。背中が弓なりに滑らかな湾曲具合の馬は、良質なバネ性能が期待できる。
 オークス出走馬ではスライリー、アカイトリノムスメ、ソダシが立ち姿から長距離適性をうかがわせる。3頭とも最後ろっ骨の位置が後ろで胸が深く、背中の稜線が滑らかに映る。

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