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反則負けの照ノ富士、焦りは禁物だ… 気の毒にも思うが優勝争いは面白くなった【北の富士コラム】

2021年5月20日 05時00分

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照ノ富士(右)が妙義龍のまげをつかみ反則負けとなる

照ノ富士(右)が妙義龍のまげをつかみ反則負けとなる

◇19日 大相撲夏場所11日目(両国国技館)
 相撲に限らず、人生何が起きるか分かりません。よりによって照ノ富士が反則負けとは誰が予想したでしょうか。
 立ち合い、妙義龍がもろ差しとなった。これは照ノ富士の立ち合いがいつもより高かったのが原因。差せなくてもどちらかの上手を引けばどうにでもなると、少し甘く見たのではあるまいか。しかし、妙義龍ほどのうまい力士が絶好の体勢を見逃すものか。
 体をピタリと寄せ、照ノ富士に上手を与えない。このあたりから照ノ富士に焦りが出たようだ。上手を引けないと見た照ノ富士が左から小手投げを打った。膝の悪い照ノ富士が決してやってはいけない禁断の小手技。一方の妙義龍はこの機を待っていたかのように、右からすくい投げに打ち返す。必殺の投げを打ち返された照ノ富士は、右手で頭を押さえ込んで投げを連発し、妙義龍をやっと仕留めた。
 照ノ富士もやれやれと思ったことだろう。しかし、なぜか物言いが付く。協議の結果、まさかの反則負けとなったのが照ノ富士であった。ビデオを見ると、指摘通り右が妙義龍のまげを握って下に引っ張っている。偶然に指が入ったというより、夢中で引っ張ってしまったのだろう。照ノ富士にとっては悲劇的な結果となってしまったが、規則だからこればかりは受け入れるしかないだろう。
 問題は、照ノ富士がこの一件を素直に受け取れるかどうかである。どうやらぶぜんと無言を通したらしいが、その辺が気掛かりである。尾を引かなければ良いのだが、心配ではある。優勝争いは1差あるので有利ではあるが、今まであった断然有利から「断然」の2文字が取れてしまった。
 2敗の貴景勝も直接対決が残されているので、気持ちは盛り上がっていると思われる。遠藤にもチャンスがある。優勝争いは少し面白くはなったが、照ノ富士が少しだけ気の毒に思える。反則負けを場内説明した師匠の伊勢ケ浜さんもとんだ災難だった。気持ちは察します。せいぜい照ノ富士を励ましてやることです。
 11日目はこの一番で十分でしょう。私も何の不服もないが、こんな結末は楽しくない。
 それでは飯にしましょう。今夜は待ちかねた京都の「蘭」のさばずしです。大きくて立派なさばずしですから一回では食べきれません。翌日、残した「すし」をトースターで軽く焼いて食べます。一粒で二度おいしいとはこのことです。12日目、「今日」はテレビでもラジオでもありません。友人が記憶力に良いクスリを送ってきたので一応、飲んでみます。では失礼。(元横綱)
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