流転の末、民意ねつ造 リコール不正・田中容疑者
2021年5月19日 16時00分 (9月11日 14時22分更新)
アルバイトを大量動員して愛知県知事のリコール署名を偽造した異例の事件は、疑惑発覚から三カ月を経て主導者とされる人物の逮捕に至った。田中孝博容疑者(59)は政治家を志す一方、県議任期中に負債を抱え、俳優業にも挑戦するなど波乱の人生を歩んできた。本紙の取材には名簿書き写しの依頼を認めつつ、偽造の認識は否定。県警の取り調べにはどう答えるのか−。
田中容疑者の出身は愛知県旧平和町(現稲沢市)。逮捕前、本紙に語ったところでは、愛知学院大を卒業後、コーヒー製造会社に就職し、直営喫茶店で店長を務めていた。一九八九年に退職し、自民党名古屋市議の実力者だった渡辺昭氏の私設秘書に。「店の客だった渡辺さんに声をかけられた。子どものころから政治家になってみたいとの気持ちがあって引き受けた」という。その後、旧新生党の故青木宏之衆院議員の私設秘書も一年務め、九五年の愛知県議選で新進党公認で初当選した。
無所属で再選した二期目、代表を...
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