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田中恒成、再起のカギはガード改善 井岡一翔に敗れ5カ月 「レベルアップ感じる」【ボクシング】

2021年5月19日 13時25分

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ミット打ちでもしっかりガードを上げてパンチを打っている田中恒成

ミット打ちでもしっかりガードを上げてパンチを打っている田中恒成

 昨年の大みそかにWBOスーパーフライ級王者・井岡一翔(32)=Ambition=に敗れてから5カ月。4階級制覇に失敗し、初の苦杯をなめたボクシングの田中恒成(25)=畑中=は今、再起へ向け、どのような練習に取り組み、胸の内は果たして―。田中恒成の今に迫った。
 ◇  ◇  ◇
 ガードを上げ、顎を引く。腕の間からのぞき見える、田中の眼光は鋭い。シャドー、ミット、サンドバッグ…。「全て攻撃の課題じゃなくて、全てディフェンスの課題です」。テーマを持って、黙々と取り組んでいた。
 衝撃の敗戦が、田中の思考を変えた。「井岡選手は分かりにくい強さっていうのがすごくあった。やった自分しか分からない。あの試合で分かった井岡選手の良さを、自分に加えようとしているんです」。拳をまみえ感じた井岡の強さ。それが端的な言葉で表すと、『ディフェンス』だった。
 言葉ではひと言だが、内容は多岐にわたる。ガード、距離感、局面局面での対処の仕方。1カ月単位でメニューを組み、身につけようとしている。最初は2、3年前から課題としてきたガードの改善に取り組んだ。
 ガードを上げる―。言葉で言うのは簡単だが、「少しの変化に見えるかもしれないけど、オレの中では本当にすごい変化」と一朝一夕でできることではなかった。癖となっているのはもちろん、腕を上げると、その分、負担もある。当初は「1ラウンドで疲れる」とこぼしていた。パンチの打ち始めの位置も変わり、威力にも関わってくる。腕の反動が使えなくなるため、ステップなど動きのスピードも落ちる。
 試行錯誤の日々も、4月に入るころには光が見え始めた。肩甲骨下部の内側で腕を上げるようにする形ができ、腕の反動が使えない分は体幹を鍛えることで補っていった。パンチは最短距離で打てる利点から、腕を引く分の力を、速さで補えると分かってきた。
 10をゴールとして現在地を田中に尋ねると、「3」と返ってきた。練習中に村田大輔トレーナーと話し込んだり、田中がメモを取る姿をよく見かける。発見が多く、「自分の課題が明確になって、それに対して的確に取り組めている。レベルアップをすごい感じている」と実感している。だから、「今はすごく楽しい」と笑顔を浮かべた。
 ガードは意識せずに上がるようになり、現在はディフェンスからのリターンや、距離感も意識して練習している。「ファンの方には自分のボクシングが少し変わったなと感じてもらえると思う。ちょっと大人のボクシングというか。それでもオレは十分面白くできます」。ベースはあくまで倒しにいくスタイル。そこに堅固なディフェンスも加える。進化した田中恒成の姿が、今から楽しみでならない。
 ドーピング騒動「早く結果を」
 田中は井岡のドーピング騒動についても初めて言及した。「井岡さんの処分の出方次第で、自分の今後の試合に影響が出てくる。もう試合から5カ月もたっているのに、それ(裁定)が決まらないと…。自分の次の試合を決めることができない」と胸の内を明かした。裁定の結果次第で無効試合になることがあるのか、ランキングはどうなるのかなどの問題もあり、「早く結果が知りたい」と話した。

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