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<尾張まち物語> 津島・駄菓子屋すーさん(1)

2021年5月16日 05時00分 (5月16日 12時56分更新)
子どもたちと店内で語り合う「すーさん」こと砂川さん(中央)=津島市宝町で

子どもたちと店内で語り合う「すーさん」こと砂川さん(中央)=津島市宝町で

  • 子どもたちと店内で語り合う「すーさん」こと砂川さん(中央)=津島市宝町で
  • 駄菓子屋すーさんの外観=津島市宝町で
 古民家の引き戸を開くと、昭和の空気が流れている。八畳ほどの店内には、あめやラムネなど懐かしい駄菓子が並ぶ。子どもたちを迎え入れるのは、キャップにTシャツ姿の「すーさん」だ。
 砂川博道さん(61)が四年前、津島市宝町にオープンした「駄菓子屋すーさん」。飼っているヘビやトカゲも、いまじゃ子どもたちの友達だ。腕や肩に乗せ、はしゃぐ声が響く。生身の人と人との交わりが薄れた世の中で、「子どもたちの居場所をつくってあげたかった」と言う。
 すーさんの故郷は、三重県尾鷲市。地元の高校を卒業後、大手企業のプラントエンジニアとして就職した。三十代が終わるころ、順風満帆な道が崩れ落ちた。身内の金銭トラブルなどに巻き込まれ、退職。一千万円以上の借金返済に追われる人生が始まった。
 仕事を転々。下水道工事や倉庫での作業、夜のクラブでの調理…。一番きつかったのが、炎天下のコンテナ内で行う荷物の積み降ろし。熱中症でバタバタと倒れ、「終わる頃には、人数が半分以下になっていた」。
 過酷な労働も、借金を返すだけで給料はほぼ消える。食費に使えるのは月二千円ほど。時にはファストフード店の生ごみをあさって飢えをしのいだ。「奴隷...

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