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終息 ショウブに願う 「勝武」縁起物 白山比咩神社 境内で栽培試み

2021年5月12日 05時00分 (5月12日 10時24分更新)
青々とした葉を茂らせたショウブの葉=白山市三宮町の白山比咩神社で

青々とした葉を茂らせたショウブの葉=白山市三宮町の白山比咩神社で


 白山市三宮町の白山比咩(しらやまひめ)神社は、境内にある日本庭園「白光苑(えん)」の池で、邪気をはらうとされる水生植物ショウブの栽培を試みている。清らかな湧水が注ぐ池に、青々としたショウブの葉が茂っている。旧暦の端午の節句に当たる六月十四日、拝殿の柱に刈り取ったショウブの葉を飾り、新型コロナウイルス禍の終息を祈願する。
 ショウブは鋭くとがった薄い剣状の葉を持つ。似た名前のアヤメの仲間「ハナショウブ」とは別種。爽やかな香りがあり、切り取って乾かしたショウブの根は「菖蒲(しょうぶ)根」と呼ばれ、整腸に用いる薬草だった。男児の成長を願う端午の節句には、ショウブを湯船に浮かべた、しょうぶ湯に入る風習がある。植物名が「勝武」に通じるとして、縁起物としても貴ばれた。
 神社では、新型コロナウイルスの感染が広まった二〇二〇年六月、さい銭箱が置かれた拝殿両側の柱に、しめ縄やショウブの葉、「疫病退散」と書かれた赤い札をあしらったショウブ飾りを付け始めた。その後、同神社の職員の発案で、白光苑の池でショウブを栽培することにした。
 職員が昨年十月ごろ、知人からもらい受けたショウブの苗をプランター十個に植え、栽培を始めた。池の中にコンクリートブロックを沈め、その上にプランターを設置し、ショウブが好む水深に調整した。
 冬を無事に越して、現在は約五十株が葉を茂らせている。同神社の田中天善さん(36)は「参拝者に先人が大切にしてきた節目を楽しんでほしい。今後はさらに株数が増えてくれれば」と期待する。白光苑は午前九時から午後四時まで、無料開放している。 (吉田拓海)

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