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石川県内医療機関 照会殺到 別の病院と重複予約 ワクチン廃棄の恐れ

2021年5月11日 05時00分 (5月11日 09時49分更新)
個別接種に関する問い合わせの電話に追われる病院の職員=10日、石川県白山市で

個別接種に関する問い合わせの電話に追われる病院の職員=10日、石川県白山市で

 新型コロナウイルスワクチンの個別接種を巡り、接種を請け負う医療機関への問い合わせが殺到し、スタッフがその対応に追われている。いち早い接種を求め、他の病院などと重複して予約する実態も浮かぶ。一般診療への影響をはじめ、予約取り消しの連絡がないままに“ドタキャン”され、ワクチンが無駄になる可能性も懸念される。
 「三百人が接種待ちで…、気長にお待ちください。必ず先生から連絡しますので」。十日、石川県白山市の北村内科医院では診療が始まる午前八時半から電話が鳴り続けた。電話口で「接種時期を早めて」と注文されたり、来院した患者から「接種しても体調に問題ないか保証して」と言い寄られたりすることも。対応に追われる事務職員の顔にも疲労の色がにじんだ。
 同院では十一日に個別接種が始まる。四月二十二日に受け付けを始めて以来、毎日朝から晩まで電話がやまないという。今週と来週は一週間にそれぞれ二十五人分のワクチンが届くが、その後も安定的に確保できるか現時点で確証はない。北村康院長は「電話や窓口で粘られると、一般診療の遅れにつながりかねない」と話す。
 金沢市のおおもりクリニックでも、市内全域で予約が始まった今月六日から電話が鳴りやまない。一日でも早い接種を求める声は多く、大森俊明院長は「職員が仕事にならない日もある」と明かす。
 感染者の急増を背景に、ワクチン接種への期待は高まるばかり。医療関係者によると、かかりつけ医などでいつ接種できるか確証が持てず、いち早く打てる病院を求めて複数の病院に打診しているケースも出ている。こうした現状に、北村院長は「キャンセルの連絡がなければワクチンの廃棄につながる可能性もある」と危惧する。白山市では十日、医療機関からの指摘を受け、集団接種用のコールセンターの職員に、予約の際に重複がないか確認するよう伝えた。(都沙羅、写真も)

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