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2日目に3大関が枕を並べて討ち死に…好調はいつまで続くかと喜ばせてくれたが、情けないことだ【北の富士コラム】

2021年5月11日 05時00分

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御嶽海(右)が押し倒しで貴景勝を破る

御嶽海(右)が押し倒しで貴景勝を破る

◇10日 大相撲夏場所2日目(両国国技館)
 初日は4大関が勝ってホーッとしたのもつかの間であった。2日目は荒れに荒れまくった。
 大関陣で最初に登場した朝乃山が、いきなり敗れた。立ち合いは朝乃山の方が良く、右をのぞかせて一気に前に出た。明生が下がりながらもうまくもろ差しになると、朝乃山は上体だけで強引に攻めて出る。明生はスルリと体を入れ替えて朝乃山の左腰に体を寄せ、一気に寄り切った。
 朝乃山に早くも土が付く。敗因は勝負を急ぎ過ぎたことに尽きる。大きな体をしているのだから、どっしりと受けて立つぐらいの気持ちが欲しい。自信の無さが粗雑な取り口に現れている。この分では、一癖も二癖もある力士が多いだけに苦戦は必至となろう。
 次の照ノ富士は素晴らしい相撲で北勝富士に勝った。自信に満ちた一番だった。さすが綱に一番近い力士らしい勝ちっぷり。そして大関陣の白星はこの一つだけだった。
 続きまして正代の敗れた一番であります。正代の良いところは立ち合いの思い切りの良さと、差し身のうまさ。この2つが完全に読まれてしまった。まず立ち合いに見て立って、いきなり右を差しに出る。相手は小兵の若隆景。つかまえてしまえば何とかなると甘く考えたのかもしれない。
 ところがそうはいかなかった。おっつけに定評のある若隆景。左右からの強烈なおっつけと押し上げるような押しで前に出た。正代はあっさり棒立ちとなり、得意の土俵際の回り込みもできないまま土俵を割った。なぜか物言いが付いたが、軍配通り、若隆景の快勝であった。
 若隆景の相撲には玄人好みの渋い味がする。昭和の香りがする力士だ。こんな力士が増えると相撲はもっと面白くなるだろう。かど番の正代は、この1敗は痛恨の負けになる気がする。連敗だけはしないことである。
 結びは貴景勝。御嶽海には何度も痛い目に遭っている。難敵中の難敵である。予想通り激しい押し合いを展開する。勝負が長引くと根負けした方が負ける。御嶽海がいつ引くだろうと見ていたが、この日は人が変わったように引かずに前へ出る。貴景勝がついに引いてしまった。待っていたかのように、御嶽海が付け入って押し出した。
 互いによく攻め合っていい相撲を見せてくれたのはうれしい限りだが、貴景勝まで道連れとなり、3大関が枕を並べて討ち死にとなった。大関陣は照ノ富士だけが2連勝。4大関の好調はいつまで続くかと喜ばせてくれたが、もうこのざまである。情けないことだ。
 この分では前半戦で優勝争いから脱落しかねない。頼むからしっかりしてくれよ。もうあきれて物も言えない。つい頭に血が上って血圧を測ったら上が160もあった。少し冷静になろう。
 ところで先程、行きつけのすし屋の主人から、店は休んでいるが良い魚が手に入ったので差し入れてもいいですか、と電話あり。良いも悪いもありません。断る理由が有ろうはずもない。そのすしがさっき届きました。持つべきものは良き友であります。
 初日は結局、間違って注文した「たこ焼き」を食べました。そろそろすしを食べたいと思っていたところなんです。以心伝心とはこんな事を言うのかもしれません。つくづく生きていて良かったと思います。それではいただきます。(元横綱)
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