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「たから」車掌車 時を越え 半世紀前に運行 小松の岩谷さん復元

2021年5月10日 05時00分 (5月10日 10時09分更新)
特急貨物列車「たから」の車掌車を補修した岩谷淳平さん=小松市下牧町で

特急貨物列車「たから」の車掌車を補修した岩谷淳平さん=小松市下牧町で

  • 特急貨物列車「たから」の車掌車を補修した岩谷淳平さん=小松市下牧町で
  • 調度品や内装がきれいに補修された車掌車内=小松市下牧町で

1年がかり「多くの人に見てほしい」

 県内外の鉄道マニアらでつくる「ボンネット型特急電車保存会」事務局長の岩谷淳平さん(45)=小松市末広町=が、特急貨物列車「たから」の車掌車「ヨ5003」を一年かけて復元した。一九五九(昭和三十四)年ごろに活躍した薄緑色の車体で、復元しているのは全国で二カ所目。五月中に一般向けの見学会を予定する。 (井上京佳)
 車掌車は全長七・八メートル、幅二・六メートル、高さ三・七メートルで重さは約十トン。車掌車は貨物の最後尾に接続され、車掌や乗組員が使った。車両は五二年、白山市にあった旧国鉄の車両製造工場で「ヨ3500形」として製造され、七年後によりスピードが出る「ヨ5000形」に改造された。特急貨物が全国に普及する六五年ごろまで活躍した。
 資料を参考に、車体は淡い緑に塗装。「たから」と書かれた後部のテールマークも点灯するよう再現した。車内には机といす三台、スポットライト三機、長いすなどがあり、当時のものをできる限りそのまま使っている。たからの車掌車として保存されているのは京都鉄道博物館の「ヨ5008」と合わせ、全国で二両のみ。京都では車内に立ち入れないが、岩谷さんは、中に入って展示を見られるよう整備した。
 車両は、長野県信濃町の国道沿いの駐車場で岩谷さんが見つけ、二〇一九年に所有者から購入。昨年四月から一年間かけて、ほぼ一人で補修した。古い塗料をはがして塗り直し、さびも落として美しくよみがえらせた。腐食していた窓枠などは、当時の材料を使うことにこだわり、群馬県高山村にあった別の車掌車を買い取って、部品を転用した。
 車両を保管している小松市下牧町の私有地で年に数回、一般向けの見学会を開く。新型コロナウイルスの感染拡大状況によるが、初回は五月中に開く予定。車両を全国の団体に貸し出し、乗車体験や見学会を開いてもらうことも検討している。岩谷さんは「じっくり細かいところまで補修できてほっとしている。多くの人に見てもらいたい」と話す。(問)090(7087)5011

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