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<リニアで変わる街の記憶>(9)飯田市上郷・北条地区 宮下 泰広さん(68)

2021年5月9日 05時00分 (5月9日 05時00分更新)
家族のために12年前に自宅を建て替えたばかりの宮下さん=飯田市上郷・北条地区で

家族のために12年前に自宅を建て替えたばかりの宮下さん=飯田市上郷・北条地区で

 十九歳のときに出身の泰阜村からおふくろを連れて出て、当時勤めていた会社から近かった北条に家を建てた。十五歳のときに、三つの夢を持った。一つは一生涯に家を建てること。それから部下を持つこと。この二つは十九歳でかなえた。あと一つは、かわいい嫁を持つこと。二十二歳で結婚し、北条で三つの夢をかなえることができた。
 来たばかりで何も分からないときに、地域の役をやらせていただいた。北条の人たちが、未成年の自分を温かい目で支えてくれた。
 今から十二年前に、長男夫婦に家族が増えることを見込んで家を建て替えた。畳を上げると掘りごたつになる。孫ができて、家に帰ってきたらテレビを見て一緒におれる場所にしようと思って。まだ使っていない。自宅がリニア中央新幹線の駅周辺整備区域と重なると聞いたときは、なんで、世界の新幹線がうちの近くにという気持ちだった。
 移転先はいくつか探したが、農振除外が難しくて農地を宅地に転用できず、なかなか見つからない。補償額は年数がたつと下がると言われた。せかされているようで、精神的な負担は増すばかりだ。新幹線の計画は当初から変わらないのに、補償額だけ下がるのはおかしいと思う。
 駅は飯...

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