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【北の富士コラム・夏場所展望】返り大関の照ノ富士が優勝に一番近い存在 全勝なら”綱”も考えられなくはない

2021年5月8日 05時00分

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大相撲春場所で優勝し、日本相撲協会の八角理事長(右)から賜杯を受け取る照ノ富士

大相撲春場所で優勝し、日本相撲協会の八角理事長(右)から賜杯を受け取る照ノ富士

 9日から夏場所が始まります。ついこの間、春場所が終わったばかりのように思えるが、忙しいことだ。とはいってもコロナ禍のせいで何もやることがないので、私個人としては誠にありがたい。先場所が終わってから今日まで外出したのは一度きりであります。
 小池東京都知事は不要不急の外出を控え、他県に出るなとおっしゃいます。ですから好きなゴルフにも行けません。千葉県の知事さんも東京の人は来るなと目の色を変えています。こんな状態では、いくら私がずうずうしくても行けるはずもありません。良心が許しません。それでもやっとワクチンを打つ日が決まったので、いくらか気が楽になりました。これで何とか15日間、頑張れそうです。
 それでは恒例の展望でもするとしましょう。既にご存じのように白鵬の出場はありません。横綱の不在は寂しいというほどのものは感じません。慣れというのは恐ろしいものです。ですから、私は名古屋場所の方が気になります。
 今場所はこれといって大きな話題はありません。優勝争いの方はせっかく4大関がそろっているので、この中から出るのが理想的なのでしょうが、そうはいかないのが今の相撲界の現状です。
 昇進時は期待の大きかった朝乃山、正代、貴景勝がそれぞれかど番を経験して、苦労しているのが盛り上がりを欠く最大の原因といえます。今場所は正代が2度目のかど番です。三役と平幕上位に押し相撲が多いので正代が勝ち越すのは簡単ではありません。情報によりますと貴景勝の動向が全く読めません。大関の責任から考えても、体調の良しあしぐらいは発表してもいいのではないだろうか。
 朝乃山は場所前の合同稽古に参加して正代と三番稽古をしたそうだが、内容は語るほどのことではなかったと聞いた。それでも、部屋で幕下相手にやるよりは少しましではあろう。
 ところで先日、水泳の高飛び込みで14歳の玉井陸斗選手の東京五輪出場が決まったが、話を聞いて驚いた。彼の練習は日に300本も飛び込むらしい。すさまじい練習である。一日10番足らずの大関陣の稽古に比べ、何ともすごいことである。
 それにもましてすごいのは、大きな期待に応えた精神力の強さ。素晴らしいと言うよりない。競泳の池江璃花子選手にしても鬼気迫る気力を見せてくれた。今の相撲界には、そのような気配が一切感じられないのは残念なことだ。
 ところで、返り大関の照ノ富士は合同稽古には顔を出さなかったらしい。体調が良ければ出てくるはずだが、休むところをみると万全ではないのかもしれない。少し心配だが、優勝には一番近い存在だろう。
 昨夜、ラジオで舞の海君が場所の予想をしていたので聴いていると「今場所は正代が優勝するかも」と言っていた。私の方は、正代は勝ち越すのも大変と思っていたので少し驚いた。
 今、この原稿を書く前に舞の海君へ電話して本当にそう思っているかを聞いたが、どうやら照ノ富士と言うのも面白くないので、つい正代になってしまったらしい。理由はそれだけで、本心は私と一緒で正代は全く買う気はないらしい。
 それと、仮に照ノ富士が連続優勝した場合、横綱昇進はあるやなしやと聞かれたが、即座にそれはないだろうと返答しました。しかし、全勝優勝なら考えてもいいだろう。私は横審でもないのに偉そうなことを言ってしまいますが、全く考えられなくはないと思われる。とにかく今場所は4大関以外から優勝力士が出るようなことになると、協会のメンツも立たなくなる。頭数はそろっても、弱い大関は何人いたって無駄である。
 先程述べたように上位陣の顔ぶれがいい。若隆景や明生、大栄翔、翔猿、そして実力者の高安、御嶽海、隆の勝に北勝富士。大物食いが初日から大関陣と対戦する。初日から番狂わせが見られそうな気がする。そして母の日でもある。
 それでは、初日はテレビでお会いしましょう。(元横綱)
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