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恐竜博物館 展示“進化中” アルバータケラトプス、実はメドゥーサケラトプス 

2021年5月4日 05時00分 (5月4日 10時13分更新)

 最新研究を反映 骨格化石とパネル修正

「アルバータケラトプス・ネスモイ」として展示されていた県立恐竜博物館の全身骨格化石=県立恐竜博物館提供

 

後頭部のフリルに特徴的なこぶがある「メドゥーサケラトプス・ロキイ」として修正された全身骨格化石=勝山市の県立恐竜博物館で

県立恐竜博物館(勝山市)で展示されている角竜(つのりゅう)「アルバータケラトプス・ネスモイ」の全身骨格化石が、新たな研究で別の角竜「メドゥーサケラトプス・ロキイ」のものと判明し、三月に修正された。二〇〇〇(平成十二)年の開館当初は「カスモサウルスの仲間」として展示されていた化石。度重なる修正は、発掘成果や知見の積み上げで真実が浮き彫りになっていく恐竜研究ならではエピソードという。 (山内道朗)
 同館主任研究員の柴田正輝さんによると、この化石は米国モンタナ州の白亜紀後期(八千万〜七千五百万年前)の地層からまとまって発見されたものの一つ。トリケラトプスがよく知られる角竜は、頭骨の後ろにある特徴的な襟巻き様のフリルが大きいカスモサウルス類と小さめのセントロサウルス類に分けられる。恐竜博物館の化石は発掘当時、フリルの大きさからカスモサウルス類と考えられていた。
 しかし〇七年に北米の研究者が、同じ地層から発見された角竜がセントロサウルス類のアルバータケラトプスだとする論文を発表。恐竜博物館の化石も同じ骨化石包含層(ボーンベッド)から見つかり、角竜は群れで行動する習性があることなどから、恐竜博物館で再研究し一〇年に展示パネルだけを変更した。その後、一八年に岡山理科大助教の千葉謙太郎さんが論文を発表し、恐竜博物館の化石はセントロサウルス類のメドゥーサケラトプスだと指摘。千葉さんの研究で、フリルの横上部に五つのこぶがある詳細な形状も解明された。恐竜博物館はカスモサウルス類として化石を復元し、こぶの部分はフリルの最上部にあったと考えていたが、再研究した上で、こぶの位置を正しく再復元し、展示パネルもメドゥーサケラトプスに修正した。
 「恐竜研究は発掘で新たな部位が見つかったり、研究で科学的根拠を積み上げたりしながら更新していく」と柴田さん。そこに研究の面白さがあるという。「恐竜博物館の展示も、フクイベナートルの頭の形やフクイラプトルの前肢の向きなど新たな研究を基に修正した。あごの部分しか見つかっていないフクイサウルスは、頭骨が発見されれば形が変わる可能性もある。以前の展示とは違っている可能性があるので注意深く見てほしい」と観賞のポイントを話した。

 メドゥーサケラトプス・ロキイ 白亜紀後期の角竜。頭骨後部のフリルに五つのこぶがあるのが特徴。ギリシャ神話に登場するヘビの髪を持つ怪物メドゥーサをイメージさせ、学名は「メドゥーサの角のある顔」を意味する。種小名の「ロキイ」は北欧神話に登場するいたずら好きの神ロキが由来で、角竜の分類研究が混乱してきたという歴史を示唆している。


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