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信じて稽古 待望の勧進帳 小松・子供歌舞伎の発表会 

2021年5月4日 05時00分 (5月4日 11時21分更新)

熱演を繰り広げる弁慶の平井悠之助さん(左から3人目)と富樫の八田一輝さん(右)ら=県こまつ芸術劇場うららで

2年連続まつり中止も「頑張ったかいあった」

 中止になった「日本こども歌舞伎まつりin小松」(四、五日)で上演予定だった子供歌舞伎「勧進帳」の発表会が三日、小松市の県こまつ芸術劇場うららであった。発表会は保護者など関係者のみが入場し、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信された。昨年に続き二年連続の上演中止。困難を乗り越えて迎えた舞台で、子どもたちはそれぞれの役を全身全霊で演じきった。(井上京佳)
 昨年出演予定だった中学二年生と、今年の出演が決まっていた一年生のダブルキャストで上演。子供役者は過去最多の計二十三人、長唄・囃子(はやし)方を含め総勢約六十人で昨年十二月から練習を重ねてきた。発表会は午前と午後の二公演があり、これまでの稽古の成果を披露した。
 一年越しの本番を迎えた弁慶役の平井悠之助さん(13)と富樫役の八田一輝さん(13)、義経役の小原梨愛さん(13)はともに松陽中学校二年の同級生。三人が出演した午前公演では、息の合った迫力あるかけあいを見せた。小原さんは、退場でかぶっていたかさが落ちるアクシデントもあったが、りんとした表情を貫き「最後まであきらめず演じきれた」と話した。勇ましく弁慶を演じた平井さんは本番を終えて、「悲しい気持ちとほっとした気持ちで混乱している」と語った。

富樫(右)の疑いを晴らすため、主人の源義経(左)を金剛杖で弁慶が打つ場面=県こまつ芸術劇場うららで

 午後公演の中学一年中心の出演者は会場全体によく響く声で好演。役者が登場したり見えを切ったりするたび、客席から温かい拍手が送られた。富樫役の飯田悠仁さん(12)は「このために練習してきたんだと実感した」。多くのせりふと踊りをこなした弁慶役の松本香穂さん(12)は「緊張はしたけど、頑張ったかいがあった」と話した。富樫が弁慶の忠誠心に心打たれて通行を許す場面では、舞台で感極まって涙する役者もいた。
 振り付け指導をした寺島浩さん(69)は「ダブルキャストで通し稽古が多くこなせず、不安だったと思う。それでも堂々と落ち着いて演技してくれた」としみじみ話した。
 会場では保護者ら計三百八十人が鑑賞した。感染対策として座席の間隔を空け、「いよっ」などと役者をたたえる掛け声は禁止。舞台と客席にはアクリル板を置き、長唄・囃子方はマスクの上にフェースガードを着けて舞台に立った。
 上演の様子は半年間、ユーチューブで公開される。
 ◇子供役者の皆さん ▽武蔵坊弁慶 平井悠之助(松陽中2)、松本香穂(南部中1)▽富樫左衛門 八田一輝(松陽中2)、飯田悠仁(丸内中1)▽源義経 小原梨愛(松陽中2)、山下莉音(南部中1)▽四天王亀井六郎 吉村千穂(松東みどり学園8)、加藤瑞季(安宅小6)▽四天王片岡八郎 浅井結希(符津小6)、中西彩乃(丸内中1)▽四天王駿河次郎 小泉拓己(松東みどり学園8)、若林明依(芦城小6)▽四天王常陸坊海尊 谷崎康仁(南部中2)、林慶次郎(鳥越中1)▽番卒軍内 小原彩心汐(苗代小6)▽番卒源内 渡辺ちひろ(第一小6)▽番卒兵内 山本芙雨(稚松小6)▽太刀持音若・口上・後見 鈴葵陽(稚松小5)、門司菜々翠(第一小5)▽口上・後見 林悠翔(第一小5)、真田愛里(稚松小6)、安田有沙(苗代小6)、楠野碧泉(粟津小6)

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