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浜松まつり 組織委「熱意つなぐため」

2021年5月3日 05時00分 (5月3日 16時09分更新)
浜松まつりに向け開かれた野口町の会合。会場脇には余ったワッペンが置かれていた=浜松市中区で

浜松まつりに向け開かれた野口町の会合。会場脇には余ったワッペンが置かれていた=浜松市中区で

 規模を縮小して三日に開幕する浜松まつり。新型コロナウイルス感染拡大は「第四波」を迎え、市民から懸念の声も上がるが、まつり組織委員会は「伝統を絶やさない」と、感染対策のルールを設けて開催を決断した。時間を短縮した凧揚げだけでも開催に踏み切った背景には、二〇一一年の東日本大震災を受けた戦後初の中止後、まつりの参加者が激減した苦い記憶がある。 (坂本圭佑)
 「少しずつ参加者は減っていたけれど、震災直後は特にねえ」。中区野口町の小名木(こなぎ)秀雄自治会長(68)は振り返った。継続して参加する人でも熱意はさまざま。「中止になり、ゴールデンウイークに旅行やレジャーに出掛けた人も多い。そこで意欲が途切れた人もいるのでは」と推測する。
 組織委によると、参加者の法被に付けるワッペンの一〇年の販売数は十二万千七百十枚。中止後に初めて販売した一三年は十万八千七百八十枚と急減した。ワッペンの値上げや販売方法の変更と同時期だったことも影響したとみられるが、関係者は「参加者が一年で大幅に減ったことは間違いない」と指摘する。
 今年の開催を模索するにあたり、組織委の関係者はこの苦い経験を念頭に置かざるを得なかった。二年連続で中止にすれば、コロナが収束しても参加者が大幅に減少し、まつりの伝統に影響を与えかねないとの考えがあったからだ。
 「ワクチンを打っても、これまで通り過ごせるようになるには数年かかる」。組織委企画監理統制部(統監部)のある幹部は、感染対策を検討するために足を運んだ感染症専門家がこう言ったことを強く記憶している。「来年に通常開催できる確約があれば、二年連続で中止にする選択肢もあった。そうでないとなれば、伝統のために知恵を絞るしかなかった」と明かす。
 少子高齢化などの影響でまつりの参加者は減少傾向にあるが、近年は高校生が微増している。組織委の広野篤男代表委員長は「まつりは地域コミュニティーの原点で、参加を通じて一体感を生み出してきた。今後は子どもたちに親しんでもらえるように取り組み、伝統を次代につないでいきたい」と話した。
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