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<ダイアリー> ページを閉じて開けて

2021年5月2日 05時00分 (5月2日 12時40分更新)
 最初に絵本を一緒に読んだのは、娘がゼロ歳の時だった。歩き始めたばかりの娘が私の膝の間に座る。私は手近にある絵本を娘の前で広げる。絵だけの本、指人形が埋めこまれた本、クッションみたいな柔らかい本など、数ページの小さい絵本たちだ。
 絵を見たり話を聞いたりするのが楽しかったのだと思う。ページをめくるのは、すぐに娘の係になった。一ページ読み、「はい次ね」と言うと娘がページをめくる。言葉を覚えてタイミングもうまくなる。何度も繰り返して遊んだ。
 ある日、娘がページをめくってくれなくなった。柔らかい本だった。お話に続けてページをめくろうとすると、娘は手のひらをぐっと押しつけて閉じてしまう。それでも開こうとすると、今度は本をつかんで取ってしまった。仕方なく別の遊びに切り替えた。
 数日後、娘がカーペットに一人で座っていた。手には柔らかい本があった。両手で本を持ち、ゆっくりとページを開いて中をのぞく。ページを閉じてまた開き、のぞきこむ。そんなことを繰り返している。真剣な横顔だった。
 娘は今年二十歳になる。大学で人文科学を学んでいる。いま私は、娘にお薦めの本を聞いている。=稲垣岳彦(52)

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