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【石川】助け合い数珠つなぎ コロナ下の SD寺s(エスディージーズ) 金沢 弘願院

2021年5月2日 05時00分 (5月2日 11時04分更新)
フードドライブで集まったお供えの脇で手を合わせる森岡達圭住職=金沢市野町の弘願院で

フードドライブで集まったお供えの脇で手を合わせる森岡達圭住職=金沢市野町の弘願院で

  • フードドライブで集まったお供えの脇で手を合わせる森岡達圭住職=金沢市野町の弘願院で

◇余った食材 困窮者に
◇LINEで悩み相談

 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に取り組む寺がある。金沢市野町の弘願(ぐがん)院は、余った食材を募り必要とする人に寄付する「フードドライブ」や、無料通信アプリ「LINE(ライン)」での悩み相談を通じ、コロナ下で人々のつながりを結び直そうとする。 (高橋雪花)
 寺町寺院群の小さな寺の本堂。米にパスタ、カレールーやチョコレート菓子−ご本尊の阿弥陀仏の元に多くのお供えが並ぶ。県内外の人が託し、お下がりとして県内の子ども食堂や児童養護施設、ひとり親の支援団体に届けられる。
 「浄土宗には、今ある命のつながりを大切にしてともに支え合う『共生(ともいき)』という理念がある。それってまさにSDGs」。森岡達圭住職(35)は笑う。子どもからお年寄りまで集う山口県内の寺に生まれ、縁あって昨年から弘願院住職を務めている森岡さんは、SDGsを通じて共生を模索する。
 フードドライブを始めたのには理由がある。寺内の地蔵によく手を合わせる母親と女の子がいた。ある日「いつもありがとう」と声を掛け、お供えの菓子を詰め合わせて渡した。すると母親は涙を流し、娘に「良かったね」と語りかけた。もしかしたら生活に困っていたのかもしれない。「何してんねん、自分」。足元の生きづらさに無自覚な自分が恥ずかしかった。
 昨年八月にフードドライブを始めると、檀家(だんか)やご近所、地元の友人らが協力してくれた。段ボールに詰めて寄付先に届けている。
 一月には、LINEのメッセージや通話を通じて「心のよりそい かけこみ寺」を始めた。昨年末、地元の同級生が自死したのがきっかけだった。「もし自分が頼れる選択肢の一つになっていたら、思いとどまっていたかもしれない」。孤独な思いを受け止める場をつくりたかった。
 喜びも悲しみも、耳を傾けることに徹する。LINEを使うのは、若い世代にも気軽に試してもらえるから。理解しやすいよう相手に応じて説法の仕方を変える仏教の「対機説法」の姿勢にも通じるという。
 森岡さんは言う。「コロナで人々が距離をとる中、このままでは心まで離れていってしまう。人と人とを数珠つなぎする橋渡しをしたい。今こそ『Go Toお寺』です」
 食品は、未開封で賞味期限が一カ月半以上ある常温保存の物を募る。午前九時〜午後四時に受け付ける。事前に連絡が必要。心のよりそい かけこみ寺=QRコード=は月、水、金曜の午後八〜十一時。問い合わせは弘願院=電076(243)8024=へ。

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