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南海トラフ80%の内幕(2)開示された議事録 小沢慧一(社会部)

2019年10月27日 02時00分 (6月10日 10時46分更新)

開示請求した地震調査委員会議事録

 予想してはいたものの、南海トラフ地震の発生確率に対して、専門家の間でこれほどまでにすさまじい異論が噴き出しているという現実は、想像を超えていた。
 二〇一二~一三年にかけて開かれた「海溝型分科会」の議事録。日本各地で予想される地震の新たな発生確率を決める地震学者による専門家会議で、発言者の名前は黒塗りだが、委員には著名な研究者が名を連ねる。そのほぼ全員が、一二年当時60~70%だった南海トラフ地震が三十年以内に発生する確率の算出方法に疑問を持っていたことが、議事録で判明したのだ。
 まず目に飛び込んできたのは、ある委員の発言だった。
 「確率計算を以前のやり方で今やれば、70%か80%という三十年確率が出てくると思うが、やり方一つ変えれば20%にもなる数字だということは、どこかに含ませておくべきではないか」
 開示請求した議事録が全て出そろったのは、ことし三月。まさか、七年前に数値の信頼性が揺らぐような議論があったとは、驚きだった。それならば、なぜ何のためらいもなく公表したのか。多数のメディアが誘導されるがままに報じたことに、怒りと悔しさ、情けなさを感じずにはいられなかった。

◆科学的に妥当で...

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