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春の叙勲 県内から78人

2021年4月29日 05時00分 (4月29日 10時16分更新)
 春の叙勲が二十九日付で発表され、県内に住む七十八人が受章した。社会のさまざまな分野で顕著な功績を挙げた人を対象とする旭日章が十七人、公的な業務に長年従事してきた人に贈られる瑞宝章が六十一人だった。そのうち五人の取り組みや功績を紹介する。

◆受章者喜びの声

瑞宝中綬章

◆プラズマ現象研究

静岡大名誉教授 神藤 正士さん78 浜松市西区


 静岡大工学部で三十四年間、電波の一つである「マイクロ波」を利用したプラズマの計測と発生について、基礎現象の解明の研究に尽力した。
 同大工学部評議員や同大大学院電子科学研究科科長などを歴任。研究員として赴いたオランダで刺激を受けた。帰国後、外国人研究者や留学生を多く受け入れ、ヨーロッパの大学と提携して国際会議を開くなど、国際色豊かな教育研究の環境づくりの礎を築いた。
 定年退職後、二〇〇九年に静大発ベンチャーとして起業。研究技術を生かし、共同研究や商品開発に取り組む毎日だ。受章には「まさか私が。びっくりしています」と謙虚に語る。  
  (細谷真里)

旭日小綬章

◆道徳と経済の両立

元掛川商工会議所会頭 鈴木 俊光さん71 掛川市

 二〇一五年度から二期五年、掛川商工会議所の会頭を務め、地域経済の振興を担った。前会頭の療養を受け、副会頭の時から会頭職を代行。新しい商工会館建設の資金集めに直面した。「一億円が目標だった募金活動も、皆さんのおかげで達成できた」と振り返る。
 新会館は、報徳思想が根付く掛川らしく「道徳門」「経済門」を玄関に設置。「道徳と経済の両立は渋沢栄一さんの思いにも通じる。コロナ禍で右肩上がりの時代とは異なるが、先端分野のけん引とともに、報徳の教えを伝えることも商議所の役割の一つ」と語る。父を早くに亡くし、二十五歳の時に祖父から受け継いだ建設会社では、現在会長職。二五年に創業百周年を迎える。 (中野吉洋)

瑞宝双光章

◆未来へ種を 諭す

静岡刑務所教誨師 伊藤 佳通さん72 静岡市葵区

 日蓮宗の僧侶として刑務所で受刑者に教えを説く「教誨師(きょうかいし)」の活動を三十二年にわたって続けてきた。
 現住職で、父の通明(みちあき)さん(97)に勧められたのがきっかけ。静岡刑務所や少年院で活動し、更生保護施設の運営にも携わる。出所後の再犯を防ぐため、「過去にこだわらず、未来に種をまこう」と語りかける。
 根底には四十年以上続ける国際支援活動がある。過去の政権によるカンボジアの虐殺現場で、野ざらしの白骨遺体を見た。「同じ仏教徒として祈っていた人たちが、なぜ救われないのか」。祈りとともに、現場で支える大切さを学んだ。出所者への支援はまだ不十分と指摘する。「彼らが生きられる社会づくりを」。 (板倉陽佑)

瑞宝単光章

◆地域で医療の連携

元浜松医科大医学部付属病院看護部長 鈴木美恵子さん62 浜松市中区

 一九八〇年に浜松医科大付属病院に入職。内科、集中治療室(ICU)、小児科などに従事した。
 看護部長時代には、聖隷浜松病院など七つの総合病院と看護部長連絡会を設置したほか、中小病院との研修会を行った。「患者と住民の健康を支えるのが医療職の使命」と地域全体が連携する重要さを説く。現在は県看護協会で認定看護管理者として、次世代の教育に携わる。
 新型コロナ禍で奮闘する医療従事者には「患者へのケアは平時でも大変。感染防止の徹底など、ストレスを抱えている人も多いと思う」とねぎらう。それでも「患者に寄り添う気持ちを大切にし、誇りを持って働いてほしい」とエールを送った。 (山手涼馬)

瑞宝単光章

◆住民の声に耳傾け

元民生・児童委員 中村 哲子さん75 湖西市

 平成の大合併前の旧新居町時代から二〇一九年までの三十年間、同町の柏原地区で民生・児童委員を務めた。
 民生委員として慕われる存在だった父親が体調を崩し、「社会勉強にどうだ」と四十三歳で業務を引き継いだ。父の興した造園会社で役員を務め、事務から道路の草刈りまでこなした。地域の見回りや相談の業務で仕事を休むときは、夫や従業員に気持ちよく送り出してもらった。
 最初は父と比べられ、落ち込んだことも。仲間に相談しながらトラブルの解決法を学び、住民の困り事に耳を傾け続けた。「今では地域全体が家族のような関係。それが私の宝物」と笑う。 (鈴木太郎)

瑞宝中綬章

神藤 正士78 静岡大名誉教授  浜松
鈴木 武彦80 静岡大名誉教授  静岡

旭日小綬章

小林  豊70 元テレビ静岡社長  静岡
鈴木 俊光71 元掛川商工会議所会頭  掛川
山田 寿久71 藤枝商工会議所会頭  藤枝

瑞宝小綬章

板津 卓世72 元空自幹部学校研究部長  伊東
植田  質70 元公立高校長  伊豆
大石  勝74 元浜松東郵便局長  浜松
荻田 正巳80 静岡大名誉教授、元同大工業短期大学部教授  浜松
久保田昭彦79 元県都市住宅部長  静岡
久保田利昭79 元県健康福祉部長  静岡
甲賀  新78 元コミュニティーホスピタル甲賀病院長  焼津
甲野藤 茂70 元公立高校長  沼津
酒井 二郎70 元静岡市消防司監  静岡
勝呂  譲78 沼津工業高専名誉教授  沼津
鈴木 久市70 元名古屋国税局徴収部長  袋井
鈴木 秀俊70 元浜松市消防司監  浜松
寺田 寿夫70 元静岡市消防司監  静岡
野寺 富和70 元東京家裁家事首席書記官  御殿場
松岡 利男73 元国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所指導部長  伊東
横沢 幸仁71 元公立高校長  静岡
渡辺加代子71 元公立高校長  焼津
渡辺 芳郎77 元県警本部刑事部長  静岡

旭日双光章

秋田  清70 元伊豆の国市議  伊豆の国
伊東 真英70 元細江町長  浜松
岩崎芳生(岩崎芳男)84 元県文学連盟運営委員長  静岡
大沢  満74 元御前崎市議  御前崎
小野  徹73 元県建設業協会副会長  三島
小林 義司87 元金谷町議  藤枝
杉浦 謙二72 元御前崎市議  御前崎
玉田 文江71 元磐田市議  磐田
中田 孝幸70 元県議  沼津
村松 英昭71 元藤枝歯科医師会長  藤枝
森竹 史郎70 県森林組合連合会理事  静岡

瑞宝双光章

飯田 友晴70 元JR東日本横浜保線技術センター所長  小山
石井 令三83 元学校医  静岡
伊藤 佳通72 静岡刑務所教誨師  静岡
稲森 敏行73 保護司  焼津
今田 修一72 元空自第1航空団飛行幹部教育隊長  浜松
大下 節男82 下長尾大下医院長  川根本
小野田隆夫80 元西部県行政センター所長  焼津
小滝 雅夫72 元公立中校長  浜松
西郷美智子68 元榛原総合病院看護部長  牧之原
鈴木 忠臣80 元掛川市収入役  掛川
西山 誠蔵71 元公立中校長  沼津
橋本 哲英78 元浜松公共職業安定所長  焼津
長谷川孝夫71 元公立中校長  静岡
林  芳郎74 保護司  沼津
日高 保男72 元陸自東部方面ヘリコプター隊副隊長  浜松
平野  豊81 元御前崎市選管委員長、元公立中校長  御前崎
益井 良勝72 元陸自偵察教導隊長  浜松
松永  仁70 元公立中校長  焼津
三田 光行72 元公立中校長  三島
宮城 達郎80 学校歯科医  静岡
山崎 喜三72 元国立信州高遠少年自然の家事業課長  御殿場
吉野恵津子75 行政相談委員  静岡

旭日単光章

鈴木 光一78 元マルスン社長  富士
滝  義弘82 静岡市葵区田町一丁目自治会長  静岡
一見 勝弘73 県飲食業生活衛生同業組合副理事長  沼津

瑞宝単光章

秋元  篤72 元東レプラスチック精工射出技術部顧問  沼津
池田 定夫80 元県技術吏員  藤枝
稲葉 伸晃63 元河津町消防団長  河津
井村 安二70 元財務技官  静岡
釜下 一浩62 元空自中部航空警戒管制団第22警戒隊  御前崎
佐藤 方保72 元日本郵政公社職員  浜松
白井  智63 元日本郵政公社職員  浜松
杉山 浩久64 元静岡市消防団副団長  静岡
鈴木美恵子62 元浜松医科大医学部付属病院看護部長  浜松
土屋 範之64 エイエイピー専務取締役  熱海
槌屋  根68 元富士市消防団長  富士
土肥 佳則66 元静岡市消防団副団長  静岡
中村 哲子75 元民生・児童委員  湖西
袴田 健三65 元空自第1航空団  浜松
坂東満寿雄68 元富士市消防団副団長  富士
増田 澄恵61 元県立こころの医療センター看護部長  焼津
宮原 吉成72 元日本郵政公社職員  静岡
望月 敏夫71 元日本郵政公社職員  静岡
和田  仁65 元熱海市消防団副団長  熱海

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