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春の褒章 県内から13人受賞

2021年4月28日 05時00分 (4月28日 05時03分更新)
 春の褒章が二十八日付で発表され、県内から十三人が受章した。農業や商工業の業務に精励した人の黄綬が六人、福祉などのために尽力した人への藍綬が七人。このうち黄綬受章者五人の喜びの声を紹介する。

◆黄綬受章者 喜びの声

◆不動産業の励みに

西遠土地建物センター取締役 木俣 純一さん(71)浜松市浜北区

 不動産業に携わり三十九年。「家族や従業員などに支えられて今がある。表に出るのは嫌だったが、同業者の励みになれば」と受章を控えめに喜ぶ。
 大学で地質古生物を学んだ後、その道に進んだ。父の会社(織布業)を継ぐために帰郷したが、時代の波に飲み込まれ廃業。義弟の勧めで既に始めていた不動産業一本に絞り、住宅用地の仲介に力を注いだ。「お客の立場で考える」をモットーに歩んできた。
 現在は県宅地建物取引業協会副会長や全国宅地建物取引業保証協会静岡副本部長の役職を兼任。不動産という負のイメージを払拭(ふっしょく)し、女性の進出やインターネットによる情報発信など、革新的な指導力を発揮する。 (伊藤一樹)

◆命守る製品届ける

エム・テー工業社長 重盛 弘子さん(75)裾野市

 避難はしごを収納するハッチなど、防災関連機器の製造販売を手掛ける「エム・テー工業」(裾野市)の社長を務める。「ますます責任が重くなるので、これからも人として成長していきたい」と語る。
 一九八一年に義父が創業し、九九年に夫から社長職を継いだ。当時は専業主婦で、会社はほぼ関わっていなかったため、「一からのスタートで苦労した。ここ数年で、ようやく仕事に慣れてきたという感じ」と振り返る。
 商品が使われるのは、火災時など人命が関わる現場だ。「人の命を守る製品なので、何よりも安心・安全が大切。そこだけは今後も曲げないでいきたい」と力を込める。 (佐野周平)

◆人間性も育てたい

建設業・明建会長 野ケ本 明さん(76)牧之原市

 「とび職の業界を代表して、頂いた気持ち。皆さんに感謝している」。父の仕事を継ぎ、二十歳の頃から建築とび工の世界に入った。現在は、自ら興した牧之原市の建設業「明建」の会長と、県鳶(とび)工業連合会の相談役を務める。
 高所で作業したり、重い機械を据え付けたり。「危険もあり、誰にでもできる仕事ではない」ことが挑戦への意欲をかき立ててきた。中国や米国にも出張し、技術者の指導に当たった。
 七十歳ごろまで現場へ出たが、現在は後進の育成に力を注ぐ。「助け合う心や信頼関係。目先の仕事やお金だけでなく、人間性も育てたい」。自然が好きで、市内の古民家を拠点に農業などを通じた交流も楽しんでいる。 (酒井健)

◆時と思い出を守る

ムラマツ時計眼鏡店代表 村松 富近さん(77)沼津市

 「時は命なり」と五十六年間、機械式時計の修理・調整をしてきた。「自分はまだまだだ。体が動く限り、技術を磨き続けたい」。意欲は衰えていない。
 二十一歳で父の創業した店に入った。百分の五ミリと小さな部品を組み合わせる高度な技術が求められた。
 機械式は数十年愛用する人もいる。「お客さんの思い出が詰まっているんだ。『直せません』なんて、絶対に言えない」と必死に腕を磨き続けた。
 後進育成にも取り組むが、この一年は新型コロナウイルス禍で講習会が開けなかった。「機械式の愛用者がいる以上、時と思い出を守る職人は必要。しっかりと技術を伝えたい」。新型コロナの収束を願う。 (渡辺陽太郎)

◆看板の要望に応え

サインアートモリヤ代表取締役 守屋 勝博さん(66)浜松市浜北区

 現代の名工、県技能マイスターに続いての受章。「決して一人の力ではない。家族や従業員が協力してくれたおかげ」と話す。
 広告美術一筋四十八年。「小学生のころ、自転車に名前と住所を書いてもらった看板職人の字が忘れられず」と、高校卒業後、この世界に。当時は筆とペンキの時代。三十三歳で独立した。しばらく手書きだったが、高校総体の依頼が舞い込み「必要に迫られて」パソコンに移行した。
 日本屋外広告業団体連合会理事や県広告美術業協同組合副理事長を兼任。業界も「派手な文字、たくさん描く」から「情報量少なく、デザイン重視」に変わった。「ただ、お客の求めに応じることは変わりない」と語る。 (伊藤一樹)

◆黄綬褒章

木俣 純一71 西遠土地建物センター取締役 浜松
重盛 弘子75 エム・テー工業代表取締役 裾野
野ケ本 明76 明建会長 牧之原
前田 忠浩72 エルフロント代表取締役 静岡
村松 富近77 ムラマツ時計眼鏡店代表 沼津
守屋 勝博66 サインアートモリヤ代表取締役 浜松

◆藍綬褒章

内山 悦子73 家計調査員 静岡
久保田愛子71 保護司 三島
小出嘉代子78 元民生・児童委員 富士
佐野美代子83 元富士宮市明るい選挙推進協議会副会長 富士宮
芝田 行億74 保護司 富士
鈴木須美子76 保護司 静岡
横山 保夫67 調停委員 焼津

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