本文へ移動

【石川】芳年 構図の力で進化 展覧会監修・神谷さん講演

2021年4月26日 05時00分 (4月26日 10時35分更新)

「芳年の怪と快」と題して講演する神谷浩国際浮世絵学会常任理事=25日、金沢21世紀美術館で(中嶋大撮影)

 「最後の浮世絵師 月岡芳年(つきおかよしとし)展」(北陸中日新聞、石川テレビ放送主催)の記念講演会が二十五日、金沢市の金沢21世紀美術館であり、展覧会を監修した国際浮世絵学会常任理事で徳川美術館副館長の神谷浩さんが「芳年の怪と快」と題してその魅力を語った。
 神谷さんは、武者絵で有名な歌川国芳(うたがわくによし)に入門してから明治維新を経て希代の絵師になるまでの歩みを紹介。師の作風と比較して「国芳が視覚の驚きを中心に作画したのに対し、芳年は構図の緊張感や静謐(せいひつ)さで作り上げた。次のステップに進んだ」と解説した。
 人気の美人画については、代表作の「風俗三十二相」を例に、喜多川歌麿(きたがわうたまろ)に始まるという顔の描き分けを指摘した上で「女性の心理描写はここまで進化した」と評価。その流れは鏑木清方(かぶらききよかた)や伊東深水(いとうしんすい)など近代美人画に通じるとした。
 昭和になって歌舞伎などの凄惨(せいさん)な場面を描いた「血みどろ絵」ばかりが注目されたことで「誤解が広がった」と述べ、作品鑑賞は「常識を打ち払い自分の目で見て自分なりに良さを発見していただきたい」と呼び掛けた。
 展覧会は五月二十三日まで。無休。問い合わせは北陸中日新聞事業部=電076(233)4642、ツイッター@hokuchu_jigyo=へ。

関連キーワード

PR情報