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井波の技象徴へシャンデリア 欄間に代わる高級木彫刻

2021年4月25日 05時00分 (4月25日 11時32分更新)
井波彫刻のシャンデリアと設計した前川大地さん=南砺市山見の季の実で

井波彫刻のシャンデリアと設計した前川大地さん=南砺市山見の季の実で

日本遺産登録を機に新商品提案

 「欄間に代わる井波彫刻の象徴をつくりたい」。南砺市井波地域の若手彫刻師らが、需要が減っている欄間に代わる高級木彫刻としてシャンデリアを作り、売り出そうとしている。二〇一八年に井波彫刻が日本遺産に登録されたのを機に将来の井波地域を考える中で、時代に応じた新しい商品を提案した。(松村裕子)
 日本遺産井波をPRする補助事業で一八年度に作ったモデルは高さ八十センチ、直径七十センチ。四本の枝が上下二段に広がったデザインで、雲やうずなど井波彫刻に特徴的なモチーフを付け、欄間と同じくらい細かい細工を施した。色の違うヒノキとジンダイケヤキを用い、タッセル(房の飾り)を下げた。
 手掛けたのは前川大地さん(43)ら三十代から四十代前半の井波彫刻師六人。前川さんがデザインし、ほかの五人で手分けして一カ月で彫った。
 木製の照明器具はかつては安全面で課題があったが、発光ダイオード(LED)電球なら熱を持たないため可能になった。照明器具なら和室でも洋室でも合い、装飾性が強く、井波彫刻のよさが出せると考えた。
 昨年九月から同市山見のショップギャラリー季の実で展示。店舗や自宅用に問い合わせはあったが、まだ注文には結び付いていない。モデルは細工が精巧な高級クラスで二百万円と高価だが、簡略版など価格に応じてオーダーメードで作る。
 「日本遺産登録は井波彫刻の将来を考える契機になった」と前川さん。欄間はもともと主に寺社用だったが、自宅にも取り入れたいというニーズに応えて住宅用も作るようになり、高度経済成長期に一般家庭に広まった。「井波彫刻の長い歴史からみると、井波彫刻にとっては彫る技術が重要で、彫ったものがシャンデリアであってもいい。井波彫刻の技術をつないでいくために、新しいものを作りたい」と話す。

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