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激走でもぎ取った1勝…脚力で人生変えつつある中日・高松 走塁技術高めるため見続けた“野球じゃない動画”

2021年4月23日 11時35分

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9回表、生還しナインに迎えられる高松

9回表、生還しナインに迎えられる高松

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇22日 DeNA0―1中日(横浜)
 3連戦でたった1失点の投手陣。うち2試合がスコアレスドローでは、とても報われない。誰も笑えないはずが、一転して誰もが笑顔の勝利になった。今季9点目の打点なき得点。福谷に初勝利がついたのも、R・マルティネスに初セーブがついたのも、代走・高松の激走があったからだ。
 4回の無死一、二塁では、それた相手の送球が、不運にも荒木一塁ベースコーチに当たってしまった。9回はそれた送球が、幸運にも打者走者の木下拓に当たった。ラッキーとアンラッキーは裏と表。そのツキを生かしたのが高松の脚力だった。あわやけん制死。DeNAがリクエストで食い下がったが、間一髪、生き残った直後のプレーだった。
 「人生は変えられるんです」。2年前のオフ、高松が荒木コーチに伝えた言葉だ。チームトップの脚力は、誰もが知っている。ただ、スタートの技術にはいささかの不安があった。2軍の盗塁企図数15に対して、成功が5。つまり、盗塁死が10もあった。盗塁は7割の成功率を求められる。2軍は失敗する場とはいえ、重圧が増す1軍で果たして戦力となるのか…。しかし、2年後の彼は、人生を変えつつある。
 スタート。そしていかに短時間でトップスピードまで加速するか。この2つを会得するために、高松が見続けたのがビーチフラッグスの動画だ。トップクラスのライフセーバーの反射神経、瞬発力、前傾姿勢…。非力な高松は、脚力で生きていくと決め、目に焼き付けた。
 本職の二塁守備は、少し不安定。貧打のチーム状態もあり、高松と代打をこなせる選手の入れ替えを進言する声が出たこともあるが、与田監督は退けた。「スピードの野球」は、今季掲げた看板だからだ。2軍で盗塁失敗を繰り返していた高松は、今や「スピード野球」の申し子だ。彼が脚でもぎ取った1勝。人生は確かに変えられる―。

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