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名もなき個人の肖像 画家・堀江栞さん、新宿で個展

2021年4月22日 16時00分 (4月22日 16時00分更新)
人物画の大作「後ろ手の未来」を見つめる堀江栞さん=東京都新宿区南町で

人物画の大作「後ろ手の未来」を見つめる堀江栞さん=東京都新宿区南町で

 気鋭の画家堀江栞(しおり)さん(29)の個展が、東京都新宿区南町のギャラリー「√K Contemporary」と地下スペースで開かれている。五島記念文化賞美術新人賞の副賞で行った海外研修の成果を発表する展示。「無名の個人の肖像」と語る人物画を中心に、複雑に入り混じる色彩で、普遍的な個人の姿を表現している。
 堀江さんは二〇一四年多摩美術大を卒業、伝統的な日本画の画材で制作する。一五年に同賞を受賞、海外研修で一六年三月から一年間パリで生活した。昨年は東京都世田谷区の芸術アワード“飛翔”美術部門を受賞した。本展では人物画をはじめ五十六点を展示する。
 百五十号の大作「後ろ手の未来」では暗い色調で、二十人近い少年少女を画面いっぱいに描いた。いずれも同じ服装で、感情も定かではない表情だが、よく見ると顔つきや視線はばらばら。岩絵の具の粒子は夜空の星々のようで、瞳も輝きを秘めている。
 堀江さんは「一色に見えるような抑圧の中でも、一人ずつの個があらがっているイメージ」と話す。「怖さや悲しさを感じる人もいるかもしれませんが、諦めの表情ではありません」
 これまでは作家多和田葉子さんの小説『献灯使』の装画に...

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