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マスク、意思疎通の妨げに 聴覚障害者から切実な声

2021年4月18日 05時00分 (4月21日 13時09分更新)
手話を交えてコロナ禍の対応について話し合う当事者たち=名古屋市内で

手話を交えてコロナ禍の対応について話し合う当事者たち=名古屋市内で

  • 手話を交えてコロナ禍の対応について話し合う当事者たち=名古屋市内で
 新型コロナウイルス感染が拡大する中、ユースク取材班に「コロナ禍での聴覚障害者の生の声を集めました」と、名古屋市内の当事者団体から投稿が寄せられた。マスク着用などの感染対策は、口の動きや手指の形から言葉を読み取る聴覚障害、盲ろう者にとってコミュニケーション上の弊害になっているようだ。当事者らの声を聞いた。 (佐々木香理)
 三月下旬。市内の会議室では市聴覚障害者協議会、市聴言障害者協会、NPO法人名古屋難聴者・中途失聴者支援協会、NPO法人愛知盲ろう者友の会の四団体が集まり、コロナ禍で寄せられた相談内容を話し合った。手話だけではなく、マスクをずらして口の動きが見えるようにしたり、通訳者の手を触りながら言葉を読み取ったり。間近で接してこそ意思疎通が成り立っている。
 「老人ホームに入所中のろう者は友人にも家族にも会えず、手話が分かる人が近くにいない。つらくなって脱走したため部屋に鍵が掛けられた」「マスクで口元が見えなくて会話が読み取れない。でも『外して』とも言いづらい」「行政から来た給付金の書類が読めずに捨ててしまった」
 それぞれの事例に共通するのは“情報の壁”。ワクチン接種も議題に上り、参加者からは「障害者が自分で決める主体性が減っている。周囲の世話になるだけの立場でなく自立する環境をつくりたい」との声も上がった。
 四団体は四月十五日、名古屋市にワクチン接種に関する要望書を提出。接種会場での筆談対応、手話通訳者や要約筆記者の配置のほか、字幕や手話の入った動画での情報提供などを求めた。市の担当者は「集団接種の際には通訳者らを派遣できるよう調整する。動画など情報提供の在り方は対策室とともに検討したい」と話す。

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