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【ウェブ限定記事】温熱療法の『新兵器』…ミヤジコクオウがアンタレスSで好成績なら競馬の未来が変わる!?

2021年4月16日 06時00分

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中間からインディバの施術を受けてアンタレスSに臨むミヤジコクオウ

中間からインディバの施術を受けてアンタレスSに臨むミヤジコクオウ

◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 アンタレスSに出走するミヤジコクオウが、この中間から腰周りを柔らかく使えるように変わってきている。5月24日には鳳雛S(京都)の勝利から丸1年が経過し、以降は優先出走順に影響する賞金加算額が目減りする。そろそろ賞金加算しないと、使うところが選びにくい事態に陥ってしまう。「やれることは何でも」と中川助手は、この中間から週2回、馬と一緒に栗東トレセン競走馬診療所に通っている。
 特段、疾患を抱えているわけではない。今年1月から、同診療所で本格運用が始まった高周波温熱機器「インディバ」の施術を受けている。体表に電極を設置して通電し、体の深部で熱発生を図る機械。温泉療養と同様、理学療法における温熱療法に相当する。温泉と異なるのは、体の外部から加温するのではなく、狙った体深部で熱発生を図るため、温めたい筋肉を直接温めることができる。同診療所では3月までの3カ月の実績で、のべ105頭を施術。厩舎人からの反応はおおむね好評という。
 中川助手の使用感も上々だ。「触ると硬くなっていたり気になっていたところが、この中間は改善した」という。当初は背腰部を中心に施術していた。後駆が徐々にほぐれて馬も使用に慣れてきたため、肩周囲にも通電させて、前後ともパフォーマンスの向上を狙っているという。
 ただし、この機器の効果の本当のところは、現段階では慎重に見ておく必要がある。馬の理学療法はほとんど研究されていない領域だ。この機器の馬への応用についてもほとんど論文が挙がっていない。記者自身が論文検索しても見つけることができず、日本での販売元に効能の根拠となる論文を問い合わせた。
 返答にあったのは、研究者によるリサーチまとめにとどまり、科学者が一般に投稿する科学ジャーナルに投稿され、査読(掲載のための審査)を通った論文はやはり得られなかった。ミヤジコクオウのように、この機器を使った馬が今後結果を出していくようなら、研究者に「前向きな成果の得られそうな研究対象」と受け止められ、論文ベースでもその効能が裏付けられていくことになるかもしれない。

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