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厳しい財政 改善を 大森町長が初登庁 能登町「創意工夫の行政を」  

2021年4月13日 05時00分 (4月13日 10時16分更新)
就任式で「時代に即した行政を」と職員らに呼び掛ける大森凡世町長=能登町役場で

就任式で「時代に即した行政を」と職員らに呼び掛ける大森凡世町長=能登町役場で

地方債残高 「県内ワースト」脱却せよ

 三月の町長選で初当選した能登町の大森凡世(かずよ)町長が十二日、町役場に初登庁した。二月まで町健康福祉課長を務めた経験も踏まえ、職員らには「時代ごとに変わる状況に即し、創意工夫しながら行政の取り組みを進めてほしい」と呼び掛けた。 (加藤豊大)
 この日は午前八時二十五分に登庁。職員百人が集まった一階ロビーで花束を受け取ると「盛大にお迎えいただきありがとうございます」と一礼した。
 二階ホールであった就任式では、「行政サービスでは住民らが自分の力でどこまでできるか個別に考慮し、障害を乗り越える手助けがどの程度必要なのか判断しなければならない」との考えを説明。その上で職員らに「あいさつをはじめ来庁者に対する気遣い、職員同士の声掛けを徹底してほしい」と求めた。
 結びに「皆の力添えがなければ行政は成り立たない。これからよろしくお願いします」と述べた。
 能都町、内浦町、柳田村の合併による二〇〇五年の誕生以来、初の町長交代となった能登町。深刻な人口減少が続く中、自治体の「借金」である地方債残高は住民一人当たりの換算で県内ワーストと、厳しい財政状況が続く。立て直しへ、町内に多数ある公共施設の削減が鍵となりそうだ。長い行政経験を生かし持続可能な町づくりを実現できるか、大森凡世新町長の手腕が問われる。
 町の一般会計の地方債残高は一九年度で二百二十八億円。人口(約一万七千人)一人当たりでは約百三十四万円と県内自治体で最も多い。一人当たりの県内平均は約六十八万円、最少は津幡町の約三十七万円だ。
 地方債残高は「お金のない三自治体の合併」(町政関係者)で能登町が誕生した〇五年の二百八十八億円がピークだったが、一五年に百八十八億円まで年々減少。しかし二〇年一月に開庁した町役場新庁舎といった大型施設建設も続き、近年は増加が続いた。
 二一年度町一般会計当初予算約百三十一億円のうち、公債返済費は約二十二億円で約17%。社会保障費など必要不可欠な予算を合わせると厳しい財政運営が続く。町の予算を必要な政策に充てるためにも、財政のスリム化を進めながら繰り上げ償還を続け、地方債残高を減らす努力が不可欠となる。
 財政スリム化には、町内公共施設の整理が大きな鍵となる。現在の施設数は約二百二十、延べ床面積は十七万平方メートル。一八年度の町調査では、住民一人当たりの施設延べ床面積は十一平方メートルと県内で最も大きく、県平均の四・七平方メートルの二倍以上だ。町内に三つある体育館をはじめ、合併前の旧三町村の枠組みのまま各種施設が現在も残っていることが数字が大きくなる要因とみられる。
 町の公共施設の多くは建築後四十〜五十年を迎えている。全てを維持する場合「耐震化などの更新費用は少なくとも今後二十年間で総額三百数十億円規模」(町企画財政課担当者)と、町予算を考えると現実的でない。将来負担を軽減するためにも公共施設を削減していくことが求められる。
 大森町長は十二日、取材に「まずは宇出津地区の二保育所の統合に取り組みたい」と、公共施設整理に取り組む姿勢を示した。一方、施設によっては各地域で必要とする切実な声もあるとみられ、どこを削減していくかの判断は容易でない。住民らの声に耳を傾けながらも、将来世代に負担を残し続けない財政運営を進められるか、注目される。

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