保護猫に里親を 東区の猫カフェ
2021年4月9日 05時00分 (4月9日 05時03分更新)
捨て猫や野良猫といった「保護猫」の殺処分数は、年間約二万七千匹。県内でも一年に七百匹前後が命を落としている。こうした行き場のなくなった猫を引き取り、新しい家族との出会いにつなげる里親募集型猫カフェが浜松市東区原島町にある。新型コロナウイルスの影響で、一時休業を余儀なくされたが、この一年で二十七匹が飼い主と巡り合い、新しい生活を始めた。 (久下聡美)
ふかふかのクッションに猫が登るキャットタワー。肉球をじっくり眺められるよう一部を透明板で加工したキャットウォーク。すやすや眠る子猫の脇で、おやつをもらってはしゃぐ猫もいる。一、二歳の猫十匹とふれ合える保護猫カフェ「暖猫(だんねこ)」では、ドリンク片手に客ものんびり気ままに過ごす。代表西田明日香さん(37)は猫好きが高じて、カフェを二〇一九年末にオープンした。
カフェにいる猫は全て保護猫。「庭先に産み捨てられた猫がいる」「近所に猫がすみついた」。電話などで寄せられた相談の中から、これまでに四十匹以上を保護した。ノミやダニの駆除、病気がないかを検査して引き取る。
猫の殺処分数は減少傾向にあり、〇四年度と比べると一九年度は九分の一程度。それでも「殺処分される猫がゼロになるよう、少しでも多く救いたい」。新しい飼い主が決まって巣立つと、西田さんはすぐに新たな保護猫を受け入れる。
オープン直後にコロナが広がり、昨年五月からは一カ月半休業。六月に再開し里親募集を始めると、問い合わせが相次いだ。「おうち時間が長くなり、猫と過ごしたい方が増えたようです」。希望者の住環境などを聞き、猫と新しい飼い主をマッチングする。「これまでに巣立った猫ちゃんはみんな安心して過ごせる家族が見つかった」。西田さんは手応えを感じている。
現在は一歳になる四匹が新たな家族を待つ。「二十歳以上、生きる猫もおり、責任をもって一緒に生きていってくださる方にお願いしたい。今は飼えないという方も、ここでふれ合って保護猫という存在を知ってほしい」と話している。
(問)暖猫=053(463)8177=へ。
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