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性的少数者の声 冊子に 県内助産師ら 作製費ネット募金

2021年4月9日 05時00分 (4月9日 10時22分更新)
冊子の編集作業を進めている植田幸代さん=野々市市内で

冊子の編集作業を進めている植田幸代さん=野々市市内で

救われた言葉収録「一人じゃない 伝えたい」

 LGBTQ(性的少数者)を支援する金沢、白山両市などの助産師の会「にじ♡はぐ石川」と、当事者と家族の会「ひだまりの会」は、県内のLGBTQの人や家族の声を紹介する冊子を作るため、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。悩みや救われた経験をつづった詩や漫画を収録する。呼び掛け人の助産師植田幸代さん(59)は「一人じゃないことを当事者たちに伝えたい」と力を込める。 (小佐野慧太)
 「『おとこなん? おんななん?』/と/きかれたら、なかよくなるために、がんばってこたえる/でも/おなじことばでも/ばかにした言い方で言われたら/こころがズキズキする」
 掲載を予定している詩の一節だ。作者は八歳で、三歳のころから自分の性別に違和感を持ったという。身体は女性だが、詩の中で「おとこが8」「おんなが2」と説明している。
 冊子は「ここにいるよ 北陸からあなたに届けたい にじいろの手紙」と題し、詩十二編と漫画二編を収める。作品は「ひだまりの会」の会員から募った。
 このうち、漫画「オレの一歩」は、身体の性別は女性で心は男性と自認するトランスジェンダーの若者が主人公。中学生時代の親友の男性にカミングアウトをした際、「でもまあ、別にいいんじゃね」という言葉を掛けられ、救われた実体験がつづられている。
 作品の内容と関連し、当事者の性的指向などを勝手に暴露する「アウティング」といった、LGBTQの人と接する際に配慮したい言葉の解説も付ける。六月下旬に完成予定だ。
 植田さんは「北陸は特に当事者が声を上げづらい雰囲気がある」と指摘する。根拠として挙げるのが、広島修道大の研究者らがまとめた論文「性的マイノリティについての意識 二〇一五年全国調査報告書」。これによると、「同僚が同性愛者だったら嫌だ」と答えた北陸地方(石川、富山、福井、新潟県)の人は59・7%に上り、全国平均より17・8ポイントも高かった。
 植田さんは「決してLGBTQの人に住みやすくない北陸の地で、この冊子が当事者が孤立しないための力になれば。誰かにカミングアウトするとき、打ち明ける相手にそっと渡せるような本にしたい」と語る。
 目標金額は八十五万円。CFのサイト「グッドモーニング」で資金を募っている。目標額に届かなくても、冊子は作製する。
◇冊子作りの資金を募るクラウドファンディングのサイトはこちら

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