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石川プレート社長 大友隆行さん(31) 企業つなぐ懸け橋に

2021年4月8日 05時00分 (4月8日 10時16分更新)
多様な銘板や機械部品などを製造している石川プレートの大友隆行社長=金沢市で

多様な銘板や機械部品などを製造している石川プレートの大友隆行社長=金沢市で

 飲食店の名札から、製造機械の部品まで。あらゆる顧客のニーズに応じ、樹脂加工や金属銘板加工、シルクスクリーン印刷などを手掛ける「石川プレート」(金沢市)を経営している。
 大友隆行社長によると、北陸の中小製造業の取引先が八十〜百社なのに対し、同社の取引先は約八百社。世の中で機械化や効率化が進む中、「高度な職人技の強みを生かし、幅広く何でも注文を受けて他社と差別化を図りたい」と二十五人の職人たちの腕に期待する。
 二〇二〇年に5%程度だった個人向けの販売比率を、二五年までに50%に引き上げる目標を掲げた。「ただ注文通りに機械で作るのではなく、職人が顧客の要望を聞き取り、最適な製品を提案できる」と強みを挙げる。
 昨年は、新型コロナウイルス感染対策用の間仕切り(パーティション)製造を始めた。介護施設や飲食店から依頼を受け、使用環境に応じてオーダーメードで作っている。同年、経済産業省が地域の経済成長をリードする担い手を選定する「地域未来牽引(けんいん)企業」に選ばれた。
 祖父の代から数えて三代目。名古屋大を卒業した一二年に愛知県あま市のプレス加工会社に就職したが、家業の営業部門を引き継ぐため一年ほどで帰郷した。一三年から社員として四年、その後専務として三年の経験を積み、社長に就任したのは昨年七月と最近だ。「本当は三十歳ごろに会社に戻り、徐々に仕事を覚えて四十歳くらいで継ぐつもりだった」と明かす。想定より十年早い就任の最大のきっかけは、先代である父・泰行さんの急逝だった。
 昨年六月。パーティション専用の自社のホームページ制作を業者に発注するため、明け方近くまで原案を練って起きた朝、父が亡くなったことを知らされた。
 祖父や父から「社長は、社員の家族を含めた人生を背負っている」と教えられてきた。「おろおろしていれば社員に不安が伝わる。コロナ禍で市場が落ち込んでいる今、仕事を止めていられない。打てる手を打つしかない」と覚悟を決めた。
 家業を継いだ今、新たな目標がある。「地元企業をつなぐ懸け橋になりたい」。幅広い分野の企業と取引をする中で、石川県内には優れた技術を持った多くの製造業があるのに、意外と知られていないと感じていた。「県内企業がタッグを組めば、相乗効果で海外でも対抗できる製品が作れるはず。企業の駆け込み寺になれたら」。地元に根差した職人の技で、地域の連携も生み出していく。(堀井聡子)

【会社メモ】1952年創業。銘板製作からスタートした。現在は、金沢市のギョーザ店「第7ギョーザの店」の従業員の名札や、飲食店営業を許可したことを証明する石川県の金属プレートなども製造している。従業員数は職人を含めて35人で、4割が20〜30代。


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