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「幸福の国」の豊かさとは 映画「ブータン 山の教室」

2021年4月8日 05時00分 (4月8日 05時00分更新)
映画「ブータン 山の教室」の一場面

映画「ブータン 山の教室」の一場面

 「国民総幸福」という独自の指標を掲げる伝統の王国も、近代化の波に揺れているという。名古屋・新栄の名演小劇場で二十四日に公開される映画「ブータン 山の教室」は、同国の原風景を映す。日本人の想像を絶する辺境で生きる人々の営みが、豊かさの本質を問う。
 オーストラリア移住を夢見る教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)が、標高四千八百メートルにあるルナナ村への赴任を命じられる。首都から一週間以上かかる道程は、険しい山道。到着すると、電気もなく近代文明から隔絶された環境に戸惑う。だが粗末な設備の学校で、目を輝かせて教えを請う子どもら、大自然に感謝して暮らす人々の姿にふれ、ウゲンの気持ちは変化していく。
 パオ・チョニン・ドルジ監督は、先進国の都会に憧れる主人公にブータンの若者意識を代表させた。固有の伝統文化を重んじ、長く鎖国政策を取ってきた同国だが、一九九九年のインターネット解禁を機に外国文化が流入。幼少期を海外で過ごしたドルジ監督が十代で帰国すると「人々の家に飾られていた写真が、国王からベッカムに変わっていた」。国際化の代償に意識が向かい「日本の科学技術のように、国を代表するものがブータンには文化し...

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