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北朝鮮不参加 対応検討へ  五輪組織委、他国への影響懸念

2021年4月7日 07時39分 (4月7日 08時44分更新)
 北朝鮮が東京五輪の不参加を突然表明し、大会組織委員会は6日、対応方針の検討に入った。政府や国際オリンピック委員会(IOC)との連携が今後の焦点。日本での感染再拡大やワクチン接種の遅れが指摘される中、不参加を表明した国は初めてで、他の国・地域へ影響も懸念される。
 北朝鮮は1964年東京五輪も不参加に終わっており、夏季大会で参加見送りとなれば南北で対立した88年ソウル五輪以来、33年ぶり。五輪憲章は「各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)は五輪に選手を派遣し参加する義務がある」と明記しており、五輪を通じ南北融和の流れを後押ししてきたIOCにも痛手となる。
 IOCは6日に「残念ながら北朝鮮と電話会議を開くことができなかった。(不参加の)正式な申請を受け取っていない」とする談話を発表。一方、国際パラリンピック委員会(IPC)は北朝鮮から不参加を伝えられたと明らかにした。
 日本では3月25日に聖火リレーがスタートしたが、感染力が強いとされる変異株も拡大。本番に向けたテスト大会や国際大会の開催が難しい状況が続いており、競技実施に向けた水際対策を巡る対応も、日本側の懸案になっている。
 IOCのバッハ会長は平昌冬季五輪後の2018年3月、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(現総書記)と会談。北朝鮮側は東京五輪参加の意向を伝えた。19年2月にはIOCと韓国、北朝鮮が4競技で南北合同チームを結成することで合意したが、予選結果や融和停滞により具体化は進まなかった。北朝鮮が不参加の場合、東京五輪開会式の南北合同入場行進も実施できなくなる。
 ◇
 北朝鮮のオリンピック委員会が東京五輪不参加を発表したことを受け、日本オリンピック委員会(JOC)の幹部は「とにかく驚いた。メダルを狙える競技がいくつかある。政治的な駆け引きの可能性もあるのでは」と戸惑いを隠せなかった。
 別の関係者はコロナ禍で、日本国内での国際大会やテスト大会が相次いで中止になっていることを挙げ、「これからも不参加の国が出てくるかもしれない。現実問題として『本当に(五輪が)できるのか。やるのか』となるかもしれない」と不安の声を上げた。
 北朝鮮は直近3大会の五輪で複数の金メダルを獲得。2016年リオデジャネイロ大会では金2、銀3、銅2の計7個のメダルを手にしている。金を含む4人が表彰台に上がった重量挙げをはじめ、体操、卓球、射撃が主要競技。柔道、レスリング、ボクシングなど格闘技系にも力を入れている。
 各競技の予選期間は6月29日までで、出場選手登録の期限は7月5日。ある競技団体の強化担当者は「本当に北朝鮮が不参加なのか、それとも突然参加となるのか分からない。(選手登録期限の)7月5日まではある程度の対策を練っていく必要がある」と話していた。 (森合正範、磯部旭弘)

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