本文へ移動

「園長がパワハラ」6人が一斉退職 磐田の保育園

2021年4月7日 05時00分 (4月7日 05時03分更新)
 磐田市の小規模認可保育園で保育士八人中六人が「園長からのパワハラ」を理由に一斉退職し、二〇二一年度は新たな園児の受け入れを停止していることが関係者への取材で分かった。市によると、一月末時点で希望していた四人が入園できず別の園に回った。市は事態を把握し、園に保育士の早期確保を求めている。 (高橋雅人)
 この園はゼロ〜二歳児が対象で定員は十九人。三月末時点で園児十八人が在籍していたが、混乱の中で十一人が卒転園し、今も通っているのは一歳児と二歳児の計七人。保育士は八人いたが三月末に六人が一斉に退職し、残る二人も希望で別の保育園に移った。
 保育士六人は昨年九月に退職願を提出。同園は補充を図ったが四月からの新年度までに四人しか集まらず、保育士の確保が十分でないため園児の新規の受け入れを断念した。今月一日からは残った七人の園児をこの保育士四人でみている。
 関係者によると、退職した保育士らは女性園長が人格を否定する発言を度々していたことや、何度訴えてもエアコンを設置しないなど園児の安全を軽視するような態度を問題視し、退職願を出したという。保育士らは退職に当たり、在園児の保護者に宛てた連名の手紙で「子どもたちが卒園するまで一緒に毎日を過ごしていきたかったです。その願いがかなわず残念でなりません」と伝えていた。
 園長は本紙の取材にパワハラを否定した上で、「職員の意になかなか沿えず、気持ちの擦れ違いから不満が出てしまった。申し訳なかった」と謝罪。「今回のような事態は二度と起こしたくない。私自身が改善していきたいし、職員が働きやすく、保護者も安心して預けられる場をつくっていきたい」と話した。エアコンは昨冬に取り付けた。
 園は、保育士らが退職願を出したのを受け昨年十一月に保護者説明会を開催。保護者の不安や疑問に答えた。三月末には残留する園児の保護者に新体制を説明し、園長は「保護者からは理解を得られた」としている。
 磐田市の幼稚園保育園課の担当者は「今いる園児が困らない体制を取るのが先決だが、定員を受け入れるのがベスト」と指摘。「職員を確保して、職員同士の連携もしっかり取ってもらうようにお願いしている」と強調した。
 保育士の一斉退職では一九年十二月、浜松市西区の保育園で、園長夫妻からのパワハラが原因で全体の六割に当たる保育士が退職届を出す事態が起きた。別の民間企業が運営を引き継ぎ、一部の保育士は、再出発した保育園で働くことになった。

関連キーワード

PR情報