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県内中小企業が合同入社式

2021年4月7日 05時00分 (4月7日 05時01分更新)
オンラインで県内各地を結び2年ぶりに開かれた中小企業の合同入社式=浜松市中区のアクトシティ浜松で

オンラインで県内各地を結び2年ぶりに開かれた中小企業の合同入社式=浜松市中区のアクトシティ浜松で

 県内の経済四団体と県が主催する中小企業の合同入社式が六日、静岡市葵区のしずぎんホールユーフォニアを主会場に開かれた。昨年は新型コロナウイルス感染拡大で取りやめており、二年ぶりの開催。県内各地とオンラインで結んで大卒の新入社員ら二百人以上が参加し、主催団体のトップらが地元での活躍にエールを送った。 (久下悠一郎)
 式典では、東京パラリンピックの陸上競技男子で出場が内定している山本篤選手(掛川市出身)が登壇。学生の時はスノーボードが好きだったが、スズキ社員時代に陸上選手として実績を積み、「会社に所属する選手として結果を残すことを意識した」と語った。その上で「たとえ嫌いでも得意なことを続けることが大事だ」と心構えを説いた。
 祝辞を述べた県経営者協会の中西勝則会長(静岡銀行会長)は、コロナ禍でのデジタル化の加速に言及。新入社員がオンラインでの授業や採用面接を経験してきたことに触れ、「上司が分からないことを教えてあげてほしい」と期待した。浜松市中区のアクトシティ浜松では百三十二人が式典の映像を視聴した。
 合同入社式は、単独では式典を催すのが難しい中小企業の新入社員の門出を祝う機会を設けようと企画。例年は県西部、中部、東部の会場でそれぞれ開催していたが、昨年は国内での感染拡大期と重なり、急きょ中止となった。

◆地元回帰の兆し 県外学生も増加

 今春の新入社員は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの企業が採用数を抑える中、前年より厳しい就職活動を強いられた。ただ、感染者が多い大都市圏より実家に近い企業を選ぶ「地元回帰」の兆しも見え始め、人材不足に悩む県内企業にとっては追い風も吹きつつある。
 静岡労働局によると、今春卒業の県内大学生の就職内定率(一月末時点)は前年同期比4・8ポイント減の82・8%で、コロナ禍による企業業績の悪化の影響がにじんだ。ただ、就職支援財団(静岡市葵区)がまとめた県内企業の採用動向調査では、県外の大学や大学院の学生が「増加した」との回答は29・8%に上った。
 浜松市内の会場で六日の合同入社式を視聴した東区の女性(22)は、市内のIT企業に就職。名古屋市内の大学に通いながら就活を始めた直後に感染拡大が本格化し、当初考えていた同市周辺ではなく地元での社会人生活を選んだ。就活も実家を拠点に進めたといい、「家族にも安心してもらえる」と納得している。
 県の就職支援事業を受託する東海道シグマ(葵区)によると、コロナ禍で県外から地元に戻るUターン就職などの相談は前年比で倍増。担当者は「今春の新社会人はコロナ禍前に内定を得ていた人も多く、地元志向はまだ顕著ではない」としつつ、「大学のオンライン授業を下宿先ではなく実家で受けている人もおり、来春はさらに傾向が強まるのではないか」と見通す。

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