「終活」にも取り組んでいた橋田寿賀子さん 遺産は財団で活用 自身の墓もすでに冨士霊園にあるという
2021年4月5日 17時11分
国民的ドラマ「おしん」(NHK・1983年)、「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系・90年~)などの脚本家、橋田寿賀子さん(はしだ・すがこ=本名岩崎寿賀子=いわさき・すがこ)が4日午前9時13分、急性リンパ腫のため静岡県熱海市の自宅で死去した。95歳、ソウル生まれ。葬儀・告別式、またお別れ会も故人の遺志で行わない。橋田文化財団が発表した。
橋田さんは今年2月下旬から急性リンパ腫の治療のため東京都内の病院に入院し、3月には自宅のある静岡県熱海市内にある病院に転院。今月3日に自宅に戻っていたという。
橋田さんは49年、松竹に入社して脚本部に配属され、64年のTBS系東芝日曜劇場「袋を渡せば」の脚本でデビュー。以来、55年以上にわたってヒットドラマを量産してきた。その視点は常に庶民にあり、NHK「となりの芝生」をはじめ辛口のホームドラマが主婦層に支持された。
83年、激動の時代を生き抜く女性を主人公にした連続テレビ小説「おしん」は高視聴率を記録、海外でも評判になった。石井ふく子プロデューサー(94)とともに100作以上を書き上げた東芝日曜劇場で“ホームドラマ”のジャンルを確立。なかでも90年に始まったドラマ「渡る世間は鬼ばかり」は嫁しゅうとめ問題など身近なテーマを描いて20年、10シリーズ511話の長寿シリーズに。今もスペシャルドラマとして「家族」の物語が続いている。
15年に文化功労者、20年には文化勲章を受けた。新進脚本家らを育成する「橋田文化財団」の運営にも力を注いだ。近年は「終活」にも取り組み、遺産は財団で活用することを決め、自身の墓もすでに静岡県小山町の冨士霊園にあるという。
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