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「逃げるような投球、士気下がる」中日・与田監督の言葉に発奮した柳 “逃げてはいない…”エネルギーに変え結果出す

2021年4月4日 11時04分

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7回裏2死、大山を空振り三振に仕留め、雄たけびを上げる中日・柳

7回裏2死、大山を空振り三振に仕留め、雄たけびを上げる中日・柳

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇3日 阪神1―0中日(京セラドーム大阪)
敗因は福ではない。打たれたのは内野安打だけ。無四球で二塁も踏ませずに8イニングを投げきった柳を、援護できなかった打線にある。
 白星をつかめなかった柳だが、意地は伝わった。あれは3月14日のヤクルトとのオープン戦(神宮)だった。6イニングを5失点。試合後に伝え聞いたのは、与田監督のコメントだった。
 「主力相手に逃げるような投球では、チームの士気が下がる」。普段は選手個々を責めることがまずない与田監督が、珍しく辛辣(しんらつ)だったので僕も驚いた。村上に与えた四球への言葉。今も柳のスマホには、この四球の配球がわかる画像が残っている。
 四球は出したが逃げてはいない。そう言いたかったが、柳は飲み込んだ。「自分ではそうではなくても、ベンチからは逃げているように見えた」ということを、受け入れたからだ。翌日の彼は、ニュースサイトや新聞の紙面、あらゆる記事に目を通した。前夜の段階で、コメントの内容は知っている。つまり、自分にとってろくでもない記事なのはわかっているのに読む。そんなアスリート気質が僕にはわからなかったが、彼はこう言った。
 「なんか見ちゃうんです。読んで、逆に燃えるっていうか…。現実逃避はしないんで」
 逃げてはいないという心の叫びを、エネルギーに変換したわけだ。翌週も炎上したが、プレートの踏み位置を変え、復調へのきっかけをつかんだ。さらに次の週は本番のマウンドに立ち、負け投手にはなったが手応えもあった。「士気が下がる」から3週間。ようやく結果につながった。
 95球。徹頭徹尾、この日の柳は攻めていた。9回の代打&降板は当然の策だが、阪神ベンチはホッとしたはずだ。そんな先発投手に、打線は借りができた。抑えた投手を見殺しにするが、打たれたときに取り返してもくれる。それも野球のおもしろさだ。

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