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<ユースク> 満開の桜、なぜ伐採? 名古屋・西区の公園

2021年4月4日 05時00分 (4月4日 11時52分更新)
3月31日に伐採された桜の切り株。他の桜の木は満開だった=名古屋市西区新道2の新道中央公園で

3月31日に伐採された桜の切り株。他の桜の木は満開だった=名古屋市西区新道2の新道中央公園で

 「公園で満開の桜が伐採されています。何とも痛々しい。なぜ、満開の今なんですかね?」。三月三十一日午前、県内のタクシー運転手の男性(55)から「Your Scoop〜みんなの取材班」(ユースク)に切ない情報が寄せられた。名古屋市西区新道二にある新道中央公園に駆け付けると、切り口が真新しい切り株だけが残っていた。 (梶山佑)
 公園は住宅街にあり、道路沿いに満開の桜が並んでいたが、砂場に接する一角は途切れていた。八十センチ近くある切り株の周りで子どもやお年寄りに尋ねると、一様に「確か昨日まであったはず」と首をかしげた。
 翌一日朝に記者が再び訪れると、偶然、毎週木曜に公園を掃除している「新道中央公園愛護会」のメンバーに声を掛けられた。「枝が枯れ、砂場側に垂れ下がっていたので伐採できないか市に頼んでいた。まさか満開の時期になるとは思わなかったが、年度末ということもあったのだろう」と加藤守雄会長(77)。二年ほど前には別の桜の木が突風で倒れたことも教えてくれた。
 だいたい話の筋が見えてきたところで、西区の西土木事務所へ。担当者は「当初は三月中旬に伐採する予定だったが、業者の段取りの問題で遅れた。今年は桜の開花も早かったこともあり…」と釈明した。
 状況に合わせて伐採や修理をする「単価契約」という契約で年度ごとに入札で業者が変わるため、昨年度中に指示した伐採を四月以降に行うことはできないという。情報を寄せてくれたタクシー運転手に結果を伝えると「役所だから仕方がないかもしれないけど、せめて咲き終わった後にしてほしいね」と残念がった。

減りゆく公園の樹木

 今回の桜の伐採は砂場の子どもたちの安全を守るためだったが、今後公園の木々は減っていきそうだ。
 偶然にも一日、十カ年の緑化政策を定めた「名古屋市みどりの基本計画2030」が始まった。市緑地事業課によると、過去十年で公園の数は千四百十五から千四百八十二に増加。今後は「質」も重視し、計画では子育てや健康、観光、危機管理といった観点で、民間活力の導入と地域連携を目指すとした。
 昨年秋にリニューアルした栄地区の久屋大通公園北エリアでも、うっそうと茂っていた樹木が姿を消し、ショップや飲食店が現れた。住宅街などの公園は樹木の高齢化などが課題となっており、伐採する木々は増えるが、代わりに芝生の面積などで緑をキープする。今後は順次、幼児向けのスペースや健康器具を整備し、景観や見通しの良い公園にしていくという。
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