言うのは簡単だが…中日・大島「当たらないボールを振らないからです」“空振り&三振ゼロ”は高橋周とリーグ2人だけ
2021年4月1日 11時36分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇31日 中日5―3巨人(バンテリンドームナゴヤ)
3点取られた直後に3点を取り返す。移籍後初先発の巨人・井納を、自己最短のKOに追い込むきっかけは、大島がつくった。146キロのストレートをさばき、坂本のグラブをかすめるようにレフト前に転がした。阿部がチャンスを広げ、高橋周がしぶとくライト前に打ち返す。もう1点追加して追いつく前に、嫌なムードは吹き飛んでいた。
大島は5試合連続で計8安打。高橋周は広島では無安打に終わったが、名古屋に帰ってきて4安打、2打点。好調と復調の2人には、共通点がある。大島は22打席、38スイング。高橋周は20打席、29スイング。三振はおろか、まだ空振りをしたことがないのだ。
セ・リーグの規定打席到達者は38人いるが、5試合しか消化していないのに三振ゼロは早くもこの2人だけだ。三振=悪とは言い切れないが、バットコントロールが生命線の大島と高橋周にとってはファウルで逃げることも含め、当たらなければ始まらない。
「空振りがないのは、悪いことではありませんよね」。大島もこう言った。昨季の彼は462打数で146安打を放ち、三振は51。866回バットを振り、空振りは82にとどめている。全スイングに占める空振り率が1桁だったのは、一度でも打席に立ったセ・リーグの選手の中で、大島だけだった。
「当たらないボールを振らない。それを徹底できたからだと思います」。言うのは簡単だが、打者なら「打てる」と思ったボールを振る。実行できていることがすごいのだ。
一方、昨季の高橋周は394打数で120安打を放ち、70三振だった。当てれば何かが起こる大島とは違って、三振を恐れていては打点や長打が増えてこない。強く振る。その上で高いコンタクト率が維持できれば必ず数字が伴うはずだ。
5戦連続同じメンバー、同じ打順で臨んでいる。さて、どちらが先に空振り&三振をするのか…。
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