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愛された直売所 30年で幕 中能登「とりやママさん」閉店

2021年4月1日 05時00分 (4月1日 10時02分更新)
直売所を運営してきた稲葉貞子さん(左)ら=中能登町末坂で

直売所を運営してきた稲葉貞子さん(左)ら=中能登町末坂で

  • 直売所を運営してきた稲葉貞子さん(左)ら=中能登町末坂で
  • 取り外される看板=中能登町末坂で

主婦ら運営「たくさんの出会いに感謝」

 中能登町の主婦らが営む「とりやママさん直売所」が三十一日、閉店した。栽培した旬の野菜や山菜などを並べ、手作りの餅などを販売。場所を移しながら三十年近く営業してきたが、担い手の高齢化などにより店を畳むことに。「お客さんに感謝しかない」。住民らに親しまれた直売所は歴史に幕を下ろした。(稲垣達成)
 最後の営業日。午前九時の開店と同時に常連客らが次々訪れた。同町黒氏の女性(72)は「草餅が大好きな金沢の友人に送ろうと思って。お土産に持って行くと『金沢にはない味』と喜ばれる。閉店はやっぱり、寂しいわね」と語った。
 直売所は、旧鳥屋町時代の一九九二年に地元の農協が設立。二〇一四年四月には町中心部に道の駅「織姫(おりひめ)の里 なかのと」が開業し、道の駅内に販売スペースを設ける提案もあったが「遠くなって地元の人が不便になる」と続け、四年前に同町末坂に移った。
 盆と正月を除いて毎日営業し、キャベツやネギ、山菜のほか、あられや梅干しなどの加工品を販売してきた。稲葉貞子さん(84)=同町春木=は「作り続けるうちに餅も上手になってね。おいしい、と褒められるとうれしくて。青春のようやったわ」とほほ笑む。
 だが、直売所を運営するメンバーも高齢化が進み、体力も限界に。追い打ちを掛けるようにコロナ禍が襲い、客足は遠のいた。惜しむ声もあったが、閉店することにした。
 発足時から関わってきた島崎清美さん(74)=良川=は「人のつながりが生まれて、じーんとする。たくさんの出会いに感謝しかない」としみじみ。稲葉さんは「お客さんとのおしゃべりが楽しかった」と振り返った。

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